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ハラスメント防止に取り組む3つの理由~現場を大切にしたい~

先日、ある方から投げかけられた質問が頭に残っています。

なぜハラスメント防止に取り組んでいるのですか?

私は、職場や地域の人間関係を良くする、人間関係の問題を解決するという観点で、コミュニケーション力アップをテーマにした研修やセミナーの企画や実践に取り組んでいます。集合型、オンライン型、いずれも取り組んでいます。

しかし、コミュニケーション力をアップするのと、ハラスメント防止というのは、取り組んでみると近い分野ですが性質が異なります。見方によっては全然違う分野になるのかもしれません。また、私自身の過去を紐解くと、会社員としてハラスメント対策の業務を担当していたわけではありません。一時期総務部門にいたときに、ハラスメント防止の研修を全社員にやったことはありますが、その程度です。私は、ハラスメントにかかわる問題の解決には関心がありその学びを続けてきました。ただ、ハラスメント防止規程づくりを専任でやったわけではありませんし、ハラスメント関連の法規や指針をつくるのにもかかわっていません。裁判に出て弁護をやることもありません(弁護士ではありませんから)。

では、なぜハラスメント防止に取り組んでいるのか?以下、理由をいくつかの観点でまとめてみました。改めて私も整理したかったんです。

1.周りでハラスメントが起こっているのを防げなかったもどかしさ

過去に会社員として在籍してきたいくつかの職場で、ハラスメントまがいのことをやって、そのことを自分で正当化している人に出会いました。特に経営者や管理職のなかには、従業員を罵倒し、それによってやる気を出させるつもりでかかわる人もいました。罵倒して当然、べつに構わない、と言わんばかりに何か自分たちのなかで言い分があり、ハラスメント行為のようなことをしているとは全く思っていないというわけです。仕事だからやるのが当たり前、それをやっていないのだから罵倒して当然、ということです。言い分はわかりますが、いつもいつもそんな状況でしたので、経営者と従業員の距離が遠く感じました。

キャリアを積み上げていく過程で、修羅場のような経験もしなければというのはあります。その修羅場の経験が活きることで、自分のスキルが高まるのです。しかし、修羅場の経験をしていく過程で、まるでハラスメントまがいの行為を伴うこともやっても構わないと考えている経営者や職場の管理職がいるのも事実です。これに近い行為を目にしてきた私としては、この組織を変えるだけのパワーを持つことができませんでした。自分にも非が及ぶ、何もしていなくても、パワハラまがいの行為を受けるリスクがある、そのように感じました。

今でも思い出します。営業先に行く過程で怒鳴られ続けたことや、電話の向こうで必要以上に罵倒されて仕事をするのが嫌になったこと。まったく私に非がなかったわけではないにしても、ずっと怒鳴られ続けていると、精神的に苦しくなります。経営者や管理職たちと一緒に仕事をするのが怖くなったんです。

こんな組織で自分がハラスメント防止にかかわるだけの精神的なエネルギーは怒りませんでした。であれば、独立して組織の外からハラスメント防止の問題に関わって、こんな私のような苦しい想いをする人をなくしたいと考えたということです。

2.自らがパワハラ的な行為を助長するようなことをしてきた反省を活かす

私がある会社で営業部門の課長をやっていたとき、部下にパワハラ的な言動をしたのでは、と見られたように感じています。電話で厳しく叱りつけたり、モノを投げたり・・・実はあるんです。部下を精神的に追い込んだところまでの自覚はないけど、部下からしてみたら感じていたかもしれません。部下に対しての好き嫌いがあって、私自身が「パワハラ」と言われてもおかしくない行動をしていた上司だったんです。こんな上司が出てきてしまうのは、組織にギクシャクした雰囲気があり、それを課長である私が醸し出すことで、パワハラ的な言動を起こりやすい環境があったのです。

ですので、反省したことを活かすためにも、ハラスメント防止に取り組もうと考えました。ハラスメント行為をしてしまう人が、全て同じように一律に悪い存在ではありません。むしろ、ハラスメント行為をした社員を出してしまうような職場の環境整備に取り組まなかった自分に責任はありました。過去の私のような、上司の立場でハラスメント行為をしてしまう人を職場で輩出することが組織をダメにする、ですのでそれを防止するための環境をつくる!そんな想いをもって今は現場での行為者側的な位置づけにいた経験を踏まえて、ハラスメント防止に取り組んでいます。

3.働く場所で活動する人が元気でなければ、家族も元気にならない!

ハラスメントを防ぐことは、職場だけでなく、他に人がいる場所での安全や幸福感を創り出すことにもつながります。職場でのハラスメント行為に係ると、職場でのギクシャクした空気やどんよりした空気を家庭に持ち込んでしまいかねません。そうなると、お子さんを始めとして、他の家族の方々の元気をも奪ってしまうかもしれません。特にお子さんがいらっしゃるとなれば、そのお子さんの成育や未来にも影響してしまう可能性だって考えられます。働く場所でのハラスメント行為が引き金になって家族の精神状態を乱してしまう。これはハラスメント行為を防止することで解決できるのであれば取り組むことに意義があると感じますね。ハラスメント防止によって、職場や地域、家庭までもが良い場所にしていくことで、なにか生きていくことの楽しさを見出せるのではないでしょうか。

働く場所が充実していれば家族の居る場所も充実する。その逆もまたしかりですよね。さらには、ハラスメント防止を実現すると、周りにはハラスメントとは無縁の、安心な空気を持っている方々が集まってきます。まさに類は友を呼ぶことになるわけです。幸福なオーラや空気をまとった方々が集まってくると、その心地よさを忘れることはできません。そして、地域全体も幸せな空気に包まれることでしょう。まさに、地域のハラスメントを防ぐことにも貢献出来そうです。

このように、ハラスメント防止に取り組むコンサルタントとして、ちょっと珍しい理由で取り組んでいるなって思われるところはあるかもしれません。ただ、こうした現場で体感したことがあるからこそ、楽しい空気をもった職場や地域をどんどん形成していくだけの取り組みをしていくことに自信はもっています。また、ハラスメント防止のためには、人と人とのコミュニケーションの楽しさを感じていける空気を醸成していく必要があります。そして、その延長線上で褒め言葉でのコミュニケーションなどを通して、ハラスメント問題をなくせるような取り組みもやっています。

このように、自分の過去の経験やハラスメント防止に取り組む思いを大事にしていくことで、ハラスメントを自分の目の行き届く場所や職場からはなくしていきたいですね。これからも、ハラスメントの無い組織や地域づくりに向けて力を注いでいきます。

オンラインであっても、地域の方々にはリアルであっても、ハラスメント防止にかかわる取り組みは、幅広く研修や面談、その他必要な資料や規程の作成など、一緒になって経営者や管理部門の方々と取り組みますので宜しくお願いいたします。

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