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ハラスメント防止に力を入れる理由

まもなく梅雨明けになるのかな、というような今日の日中です。昨日は1日で300ミリを超える雨が降った私の住む街の富士市です。まだちょっと爪痕が市内のあちこちにあります。雨続きの7月でしたが、ようやく今週の後半には太陽が出る日が増えるようなので、いよいよ梅雨明けから夏が到来、ですね。今年は新型コロナウイルスの影響で地元の大きな夏祭りが中止になり、本当に夏がくるのかどうなのか、という気持ちでいます。

こういう時期は、人も組織もどうも感情が安定しない、という時期かもしれません。テレワークやリモートでのセールスなど、在宅や外部での勤務が続き、なかなか同じ組織のメンバーとも顔を突き合わせた同じ場所でのコミュニケーションができない。どうも意識的が高まってこない!ということもあるでしょう。そのときに起こりうるのが、ハラスメントなどの人とのかかわりにおける問題です。ハラスメントの研修の相談が増加傾向にあるのも、そういった背景があるように思います。同じ場所にいない場合でも、要はリモートなどであってもハラスメント行為はおこりえます。むしろ、機器を経由した表情や言葉は、相手に時には圧迫感を強く与えます。気をつけなければいけないですね。

ところで、私はハラスメントの防止に関する問題を扱う弁護士ではありません。また、人事部門で10数年の経験をしてハラスメント対応ばかりをやってきたわけではありません。そういった背景のある私がなぜ「ハラスメント防止」というテーマを表出して取り組んでいるのか?そう、このハラスメント防止にかかる研修やコンサルティングについては、過去の経験を踏まえての思い入れがあるからなのです。

私自身は、直接ハラスメント被害を受けたわけでもありません(そう思っていないだけかもしれません)。ハラスメントの被害者という経験で語るわけでもありません。ただ、ハラスメントの現場のすぐ隣り合わせの環境にはいた経験が多くあります。

あるときのことです。斜め向かいの席に座っていた若手の社員が、上司にものすごい勢いで怒鳴りつけられ、もう暴言のオンパレードでした。人格を明らかに否定するような口汚い言葉が、フロア中に響いていました。彼は、別の上司からは、土下座を強要させられたなどという話もありました。彼がやるべきことをやっていなかったという責任はあるとしても、上司にかかわってやるときにはいつも怒鳴られてばかりで、しかも、怒鳴られている内容が、彼の人格や尊厳にかかわるのを侵すようなこともあったようです。だから上司と相談することや、上司と一緒に仕事をすることが嫌になってしまったのかもしれません。

また、過去には、私自身ハラスメントを受けた、とまでは思っていませんが、まともにコミュニケーションのとれない上司と仕事をするときもありました。彼に相談をすると、「なんでそんなことをきくのか、見ればわかるだろ」みたいなことを言われました。また、この仕事は自分で進められるものだと思って進めていると、「なんでおれにきかない?あなたが何も報告に来ないから全部もうやったよ、なにも相談もしに来ないから」などと言われました。どのタイミングで相談をしてもしなくても、とても嫌な気持ちになる。そんな職場の上司と一緒に仕事をしたことがありました。この場面をいくつか今思い出すだけでも気持ちが乱れそうになります。ましてや今日は月曜日。月曜日にきまってこういったことが起こったものです。こうした経験を積み重ねてきたからこそ、様々な職場でのハラスメントを防ごうという想いは強いのかなって思います。

「自分の経験を無駄にしたくない。独立してから関わる職場には、ハラスメント防止にかかわる研修やコンサルティングもやっていこう。」そんなことを考えて、公益財団法人21世職業財団のハラスメント防止コンサルタント資格をとり、ハラスメントの起きないような場づくり、職場づくり、コミュニケーションの基本などについて研修でとりあげるようにしています。特にみらいを見据えてキャリアを積み上げている人や組織が、こうしたハラスメント被害によってダメになってしまうのを見るのは残念でしかたないです。ですので、「ハラスメント被害が起こらないようにする職場づくり研修」、「お互いを承認する風土づくり研修」などのように、お互いを認めあうような職場にするためのアプローチを心がけています。ハラスメント自体が起こることのない職場にする、というのが、私の考え方です。

身近で見てきたハラスメントの実態、あるいは、それに近い扱いを現場で受けた経験。こうしたものがあるからこそ、現場の管理者や社員、そして経営者の方々に伝えられることはあるのかなと思います。法律を読んで解釈をするのは、法律の専門家がやってくださいます。現場の社員は、そういった法律の存在や厚生労働省が出している様々な資料の内容を踏まえて、どのようにハラスメントの問題に対処するのかを考えることが大切です。

ですので、ハラスメントの起こりうるような職場をなくすために、職場のコミュニケーションや人間関係においてうまくいっていない点を改善する内容を、研修やワークショップの中で多く採り入れているのです。カードを使って多くの人たちがにっこりと微笑んでほしいのです。やっぱり笑っている人たちの顔や、活き活きとして目を輝かせて働いている社員の方々の顔が一番の喜びですからね。私にも自信になります。私がやってきたことが無駄ではなかった。自分を信じられるきっかけをいただけるので、ハラスメント防止の研修やワークショップは、これからも取り組んでいきます。

昨日は大雨でしたが、富士市内の学びの場で、算数と職業を組み合わせて学んでいる小学生たちのプレゼンを聴きにいってきました。5月以来ですね。やはり彼らが活き活きとした表情で算数の考え方を学びながら建築物をつくって、自分の学びを深めている姿が素敵です。このようなみらいを担う子どもたちが、やがて職業人として活躍できるようになるためには、ビジネス現場で今働いている人たちが、お互いにハラスメントのような行為をするのではなく、活き活きとした気持ちで仕事に取り組めていることが大切ですね。そういった状況を継続できるように、これからもハラスメント防止に取り組んでいきたいと思います!

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