先日、オンライン研修に関しての記事を書きました。通常よりも3倍~4倍のビュー数となり、とても関心をもってお読みいただいたものと捉えております。該当記事は下記になります。
・コロナに屈しない!オンライン研修7つの心がけ~楽しく学べるために~
・コロナに負けないぞ!オンライン研修で避けるべき6つのポイント
よろしければまだお読みになられていない方はご参考になさってください。
さて、今回はオンラインでの会議についてふれてみようと思います。以前、富士市で開催された「まちの会議のやり方実践ゼミ」では、ファシリテーションの考え方をベースに様々な注意事項を講義させていただきました。また、一度弊社主催で「会議のやり方を見直す」ことを一つのテーマにして公開セミナーも開催しました。こうした点を踏まえ、今回はオンラインでの会議に関してまとめます。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、自宅での勤務になった方が多くなりました。生産など各種作業活動の現場や研究開発部署などを除くと、営業部署や管理系の部署など、テレワークがあちこちの企業で導入されています。また、商談もオンラインで行われており、新型コロナウイルス感染症の拡大により、様々な業務がオンライン化されています。
1対1のコミュニケーションやお客様との商談ならまだオンラインになっても妥協はできる。しかし、多数が集まる社内の会議となると、オンラインで行うのは「実はやりにくい、憂鬱」などの声が聞こえてきます。コロナ前の職場のコミュニケーションの姿がそのまま出ている、といっても過言ではないような・・・
先日、とある動画をみて笑ってしまいました。上司と部下がオンライン会議で行おうときの様子を風刺したような動画が出ていて笑ってしまいました。劇団の方々が制作されたもののようですが、現実として、こういうこともあるのでは
ないかと思います。上司と部下のコミュニケーションがうまくいっていないところに、オンライン会議をやるとすると、普段のありのままの姿がでそうです。ちょっとした息抜きにでもご覧になってみてください。こちらの動画です。
この劇団の動画は極端であるとしても、実際に対面でやるような会議をそのままオンラインに持ち込むと・・・
上司「まずは進捗の報告と連絡事項ね。(の調子で延々と独演)」
この間、部下は画面を見ながらきいているだけですが・・・たぶん、画面は見ながら手は違うことをやっている社員も出てきます。
上司「ところで最近は何か困っていることあるか?」
部下「・・・・・・・・・」
上司「○○さんどう?」
部下「いや、特には・・・」
上司「△△さんは?」
部下「大丈夫です」
実際に対面で会議をやるときと同じ調子でやっていても無駄でしかありません(こんな会議をやるような企業は減っていると思いますが)。全然部下や他のメンバーに会議の内容が伝わらないですね。オンラインでやるときには、実際に対面で会議をやるとき以上に注意してやらなければいけません。以前、富士市でかかわった「まちの会議のやり方実践ゼミ」の中でも触れていたポイントを含めて、オンライン会議の進め方についてまとめてみました。
1.目的や目標(ゴール)を共有すること
オンライン会議は、その場に一堂に介していないので、好きな事をやれてしまう可能性があります。当然ですが、メリハリをつけてやることが必要です。対面で会議をやる時よりも集中力が途切れるのが早いです。ですので、「何のために行う会議か」「どのようなことを決めたら終わりにするか」を事前に必ず共有しましょう。そうでなければ、正直目や肩などの身体面や精神面での疲労が蓄積しますし、無駄な時間を浪費するだけです。
2.準備内容を共有、必要なことは指示・依頼を
会議の実施にあたっては、事前に資料は送付して読んでもらうようにしましょう。もしくは、印刷して手元に出して用意するように指示してください。また、事前に検討してもらうことについては、必ず検討してくるように、時間に余裕をもって指示や依頼をしておきましょう。その場で問いかけてもなかなか意見が出にくいようなものは、正直オンラインの場合には集中力が途切れやすいのでやめましょう。事前に共有、そして必要なことは事前に作業指示、依頼を忘れずに行い、会議の場がストレスにならないようにしましょう。
3.時間はきっちりと守る
オンライン会議は、働く人の時間管理能力が問われます。時間管理がいい加減に行われていますと、どうしても業務の生産性が低下します。当然ですが、会議の時間も必ず時間を守ってやるようにしましょう。開始時間、終了時間いずれもそうです。長くても40分程度で終わるくらいの設計をしましょう(それでも長いかもしれません)。それ以上に長くなる時には、休憩の時間を入れるか、日時を改めましょう。長時間のダラダラ会議をやる文化を一掃してしまうくらいのつもりでやるという意識が必要です。
4.発言をする、発言を求める場合は名指しで
発言者、それから発言を求める人共に、お互いの名前を言い合うようにしましょう。「○○ですが、よろしいでしょうか?」「△△さんはどう考える?」などと、必ず名前を言って発言をする、発言を求めると言った、コミュニケーションのとれたメリハリのある会議をすることが必要です。誰が誰に対して話しているのかわからないようなやりとりはやめるべきです。また、カメラのオンオフや、マイクのスイッチを入れる入れないなどの指示も事前にしておきましょう。ZOOMでいえば、ミュートにするのかそれともミュートを解除にするのか。雑音や独り言もしっかりと拾いますので、十分に注意しましょう。
5.様々な機能を用いて進行する
オンライン会議を進めるうえで用いられるような様々なツールがありますが、単に画面に向かって話す聴くだけでなく、様々な機能を用いて会議を進めると面白い発見があるかもしれません。たとえば、WEBホワイトボードを使う、もしくは付箋のWEB版を使う、あるいは、チャット機能を用いてお互いに考えていることを打ち込んでもらうなどです。単に口頭でのコミュニケーションだけでは飽きてしまいます。実際に書いてもらうなど、手を動かしてもらうような行動を伴う会議をしていきましょう。
6.一人で進行係を務めない
オンライン会議は、一人ではなく複数人の持ち回りで進行するような設計をしましょう。それぞれの項目ごとに進行者を決めるようにして、できるだけ全員が発言できるようにすることです。一人だけが進めて独演会のようになるのは、オンライン会議ではやってはいけないと私は思います。会議の場での依存的な態度、あるいは、自分には関係ないという態度がはっきりと出てしまうでしょう(先ほど紹介した動画のような状況を招きます)。項目ごとに進行者を決めて、全員ができるだけ発言する機会を持てるような運営をするのがおすすめです。そのためにも、できるだけ早めにリーダーが進行次第を作成して全員に展開するようにしましょう。
7.参加していることを表すサインを決める
当然のことですが、オンラインでつないでいるだけではオンライン会議に参加したことになりません。つまり、接続さえすればいいということではない、と言いたいのです。カメラをオンにして、声が出る状態にすることは当然です。バーチャル背景を使って参加しているように見せかけるのはもっての外です。参加しているかのような見せかけの背景を用いることについては、必要に応じて制限をかけましょう。もし仮に認めるのであれば、全員バーチャル背景にすればいいのです(笑)。出席したときには、何か行動を促すなどの工夫をしましょう。チェックインを行って、なにかチャットに発言する、もしくは実際に声をだしてもらってから始めましょう。そのためにも、オンライン独演会は会議ではNGです。
8.オンライン会議ツールの最低限の機能は使えるように
オンライン研修に関するコラムでも書きましたが、会議を進行する場合には、オンライン会議ツールについては、最低限の機能は覚えて使えるようにしておきましょう。もしわからなければ、わかる人に事前に確認するなどして対処するようにしましょう。情報システム担当者が、事前にツールの使い方について解説した動画を展開するなどして、社内で各自が学習するようにしておくなど、ツールを導入するための準備もしっかりとやっておきましょう。
対面で会議をやっていたときに、同じ職場のメンバーから会議への不満が出ていたとしたら、オンラインでも同じような不満が出やすくなります。今まで以上に会議の準備を丁寧におこなう、決まっている事を周知するなどが要求されます。会議の時間をダラダラと進めることは、オンラインでは最もやってはいけないことだと、個人的には思います。
また、準備のない会議は廃止にするべきでしょう。ちょっとしたアイデア出しをするのは、チャットなどで会話しながらできることです。定例会議も長時間やる必要はなくなるでしょう。何を会議で話し合うかを事前に組み立ててから進行することが、オンライン会議ではより強く求められます。

オンライン会議を進めるうえでの注意点を8つにまとめてみました。オンライン会議によって、時間管理を徹底しようという意識が高まり、業務のムダがなくなることが期待されます。オンラインでの業務の進行に慣れていない社員ほど、オンライン会議に対して抵抗を示し、「やっぱり顔をつきあわせるのがいい」、と声高に言う可能性はあります。
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけにして、働き方が大きく変化することが想定されています。今まで着手できなかった業務の見直し、会議のやり方の見直しなど、様々な業務の見直しを行って、オンラインでも対応できる職場づくりを進めていきましょう。
そして、いざ対面でのコミュニケーションが必要になった時には、オンライン会議でやってきたことが生きるようにしましょう。時間管理に対しての意識や目的意識を仕事を進めていけば、生産性の向上につながります。コロナの先を目指した会議のあり方、考えてみませんか?
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