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心理的安全性の確保された職場にしよう~幸せな職場にする取り組みとして~

自由にものを言える場所。そんな場所をつくることが私の夢です。お互いのアイデアや知恵を出し合って、たとえば新しい商品の開発をする。新しい事業を創り出す。こうした新しいものが生み出されることにつながる「学びの工場」のような場所をつくっていきたいと思っています。

もちろん、職場がこうした新しいものを生み出せる場であるからこそ、組織も人材も成長していくのではないでしょうか。そのために必要なものとして私が考えるのは、「心理的安全性」という考え方です。

アメリカのシリコンバレーのレジェンドとして知られるコーチのビル・キャンベルの教えをまとめた「1兆ドルコーチ」。この著のなかで、心理的安全性について述べられたところがあります。

信頼を確立することは、最近の言葉でいう、チームの「心理的安全性」を育むための主要な条件だ。

心理的安全性とは、「安心して対人リスクをとれる状態、ありのままでいることに心地よさを感じられる」といわれています。すなわち、なにか発言をしても、自身の安全が脅かされない、地位の安全や生きる上での安全が脅かされないということです。

たとえば、会議などの場でなにか発言を求められて発言をしたときに、その発言を頭から否定され罵倒される。あるいは、全員の前で恥をかかされる。権力ある人と同じ場にいる場合には、パワハラのような行為を受ける。こうしたことがあると、自分の心理的な安全が脅かされます。精神的なダメージをうけて、鬱っぽくなることだってありえるのです。

私は、かつてある会社で社長から意見を求められて発言をしました。そのときに、「なんでもいいから感じたことを教えてほしい」と言われたのです。そこで良かった点と、もっとこうした方がいいという点を率直に申し上げました。ところが、なにか私の言い方が気に障ったのか(本人にはその自覚はなく)、その発言の真意を不機嫌な表情一杯で社長から追及されました。私の意見が、社長の激しい怒りを招いてしまったのです。「なんでもいいから」というこの言葉を額面通りに捉えて申し上げたのですが・・・この一件があって以降、勤務していた会社で「この社長とは腹を割って話すことなんて無理だ」、そう思いました。まったくもって安全性のない職場にいたことになります。安全性が脅かされてしまい、その後は社長の様子を見ながら日々を過ごす時間が増えました。実際に事務担当の社員も、この社長の顔色にはいつも気を遣っていました。

私が働いていたかつての職場のように、上位者から自由な発言を求められた際に、その上位者がいったことを信じて額面通りに発言をして、社員の気持ちが不安定な状態になるような職場は、社員が活き活きと働けなくなってしまうのではないでしょうか。

経営者と社員の距離が近い中小企業においては、経営者の力は社員が思っている以上に強いものがあるのが一般的です。経営者の顔色を見ながら仕事をするような職場では、正直、働くことがなにか苦痛を伴うものになってしまいかねません。

働くことが苦しい職場になってはいけません。幸せな職場とは程遠いものになってしまいます。むしろ、経営者と社員が車座になって話をするくらいの関係性がある。経営者と社員が信頼し合って構築できている。このような状態がのぞましいのではないでしょうか。ある意味、心理的安全性が確保された職場になっているということなのです。

先日紹介した西精工さんのケースは、まさに心理的安全性が確保されている組織であるといえます。朝礼の場面で対話が行われているということは、まさに経営者と社員の安全性が確保されている状態といえます。心理的安全性は、パワハラなどのハラスメント行為をなくすためには欠かせません。こうした安全性をつくるトレーニングを、今後、各職場で実践していくことが必要だと私は思います。働くことに幸せを実感し、社員がのびのびと自らの能力を発揮するためにはまず安全安心の場であることが必要なのです。失敗に対して許容されない恐怖感がある、否定される危険性がある、こうした状況は避けなければいけないでしょう。

心理的安全性確保のために、話す、聴くといった基本的なことを習慣として、お互いの心理的な安全を確保できるようにする訓練は、各職場で意識して行っていかなければなりません。私も、時折、企業の研修でこうした訓練を担当させていただきますが、一過性の研修だけでできるものではないので、日々習慣にするように実践練習を多くしてもらいます。まずは体感してもらって気づいてもらうことから始めていきますが、そうでもしなければ心理的安全性は確保できないのです。パワハラを受けた事によって休職する社員が出てからでは遅いのです。

職場の心理的安全性をいかに確保するか。日々の対話でその安全性を確保するために、経営者も社員も、お互いに考えていることを分かり合うように話をすることは必要なのです。片方が片方に忖度しあうような職場になってしまうと、いつまでたっても人材は定着も成長もしないでしょう。業績の向上にもつながりません。

心理的安全性を確保するためにも、各組織において対話し合えるような場づくりを進めていきましょう。どんなきっかけからでもいいのです。言葉だけでそれが難しければ、言葉の書かれた紙をつかうこともあります。こちらを参考に

このような空間を用いて、心理的安全性を高めてみるのもいいですね。緑を多く採り入れて落ち着きを醸し出す。自然と触れ合いながら、落ち着きのある場所で対話をしていくと、社員の気持ちも穏やかになっていくのではないでしょうか。場づくりの工夫はこうした形から、というのもありですね。

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