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マイクロマネジメントは職場を不幸にする~人の状況に気を配ろう~

様々な背景をもっている人たちがいるのが職場です。同じ職場にいるからといって、皆が考えから何から同じということはありません。すべてが逆に同じとなると、それは組織としては良いものではないでしょう。様々な背景をもっていて、様々な考えをもっている。そういう人たちが集まるからこそ、組織としての力が最大限に活かされるのではないでしょうか。

ただ、そのときに、権力などの大きな力をもった社員が、その力で別の社員を押さえつけるようなことがあってはなりません。最近は、ヤマハ発動機や地方都市、財務省など、パワハラのニュースが相変わらず世間をにぎわせています。パワハラは極端になった例ですが、相手を力を従わせようとする場合、どうしても強烈なやり方をとろうとするのです。当然ですが、パワハラは許されるものではないです。相手を力で従わせようとして、職場の空気を乱すような行為は撲滅しないといけません。

パワハラにつながっていくようなマネジメントをする上司。いますよね。マイクロマネジメントと呼ばれるマネジメントがその一例です。とても細かく部下の行動をチェックする上司。昨日の記事でも紹介した、サイボウズ式編集部の藤村能之氏の著書「『未来のチーム』の作り方」では、マイクロマネジメントについてこう書かれています。

人のことをタスクの進捗でしか見ず、感情や気持ちをないがしろにした進捗管理やマイクロマネジメントをすることは、受ける側にとっては嫌な気持ちしか残りません。

タスクの進捗を行う上司のなかには、自分の都合、例えば経営陣に状況を報告するためになどの理由で、部下の状況を知りたくなって、慌てて感情的になってタスクマネジメントを始めるケースがあります。かつて私が出会ったあまたの上司のなかにも、マイクロマネジメントを行って周囲からとても嫌がられる方がいました。人の気持ちを考えることなく細かなタスク管理しかやらないと、正直一緒に仕事をしようという気持ちが薄れます。そして、精神的にまいってしまうこともあるのです。細かすぎるマネジメントが原因で部下を休職に追い込むような上司がいるという話はよくききます。「○○クラッシャー」と恐れられたりするのです。上司自身のための管理にすぎず、チームのためのマネジメントができていないということなのです。

藤村さんは、「人の状況」を見ることが大切、であると著書の中でも触れています。これに対して「仕事の状況」ばかりに執着してしまうと、部下は上司と話すのが嫌になってしまいがちです。

かつて私は、短期間ですがコンサルティング会社に在籍していました。このときの上司は、まさに「仕事の状況」にしか興味のない人でした。仕事の内容ばかり話をして、私の発言をことごとく否定する。指導ではなくダメ出しです。細かい干渉をしてくるのです。私の仕事や行動の状況を、会議の場でもダメ出しするし、私が帰ろうとしたときに呼び止めて細かく干渉してくるのです。しかも、周りの先輩も細かい干渉を一緒になってし始める。結局は、私の感情などはまったく気にしていないし、聴くことすらしないのです。マイクロマネジメントで仕事の状況をチェックし、私がなかなか思うようにいかなくて相談をしても、「なんでできないの?やらなきゃだめだよ」しか言わない。部下の「人の状況」にはまったく向き合わなかったのです。

私は、そんな上司と一緒に仕事をするのが嫌になり、ついに自律神経がおかしくなって休職を決断しました。今から5年半前の秋のことでした。もっとも辛い時期でした。

今は独立して、一人一人に向き合うことを心がけています。独立してからは、こうした仕事の状況に細かく干渉するようなマネジメントはまったく必要なくなりました。自分で自分をコントロールしてやっていくことは楽ではないのですが、自分の心に向き合って様々な仕事をするのはとても「楽しい」です。傷つくことはあっても、それを上回る幸せがあるのが、今の職場、働く場所なのかもしれません。

マイクロマネジメントは、不幸な職場をつくる最悪の手法となりうるのではないでしょうか。タスク管理だけをして部下の心にまったく気を配らないのでは、いつか社員は辞めます。世の中の俗にいうブラック企業というのは、こうした人の心の状況に向き合えない経営者や上司が存在しているのかなって思います。ひたすら目標目標、タスクタスクと社員を煽って、社員の事を人として考えていない、まさに「駒」でしかみていないのでしょう。

人の状況を見ること、人の状況を見ながら仕事を進める。職場のリーダーの方々は、「どうした?」「今のところどんな感じ?」などと、部下の様子を見ながら声をかけていますか?是非声がけをやってみましょう。そうすると、なにか動きが止まっていたり、いつもと違う表情をしたりする部下がいるのに気づくことがあります。これが部下の変化のサインです。チームとしてうまく機能していて、働いていて楽しいと思える職場では、上司がよく部下の様子を見ています。やはり「人の様子を観察できること」や「心に気を配れること」が、今の職場リーダーには必要なんだと実感します。

富士山のように、広い視野で物事をみていると、人の状況も見えてきます。細かな一点しか見ていなければ、仕事の状況にしか目が行かずマイクロマネジメントになってしまいます。広い視野で、落ち着いた心で、人の状況をよくみてチームをつくる。こうした取り組みができていくと、幸せな職場がどんどんひろがっていくのではないでしょうか。

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