新型コロナウイルス感染症の拡大によって、多くの方々が不安になっている様子が伺えます。物がなくなるかもしれない、という不安から、ドラッグストアなどに人があふれていて・・・トイレットペーパーなどを買いだめる人が目立っています。近隣のスーパーの棚からは、なぜかこうした物がどんどん消えています。不安になる気持ちがあっても、果たしてそこまでする理由はあるのでしょうか。停電が起こっているわけでも、ライフラインが遮断されているわけでもないのに、食品の一部もなくなっています。実際に多くのトイレットペーパーを抱えて帰る人たちをスーパーで見かけましたが、あまり多くの物を買い占める、そしてその結果余らせてしまうような行為は控えてほしいです。
このように様々なことに不安にかられてしまう。こういう人たちが増加すると、人の心が徐々に乱れます。笑顔がなくなって感情的に不安定な状況になり、さらに心の乱れによって、その場の空気がどんどん淀んでしまいます。暗い雰囲気になってしまう職場、家庭、そしてなにか殺伐としたような空気ができてしまう。職場全体の雰囲気がどんどん悪くなってしまう、家族全体の雰囲気も同じようにどんどん悪くなってしまう。まるで毒ガスのような空気が充満してしまう。そうなると、良くない感情がどんどんあふれてコントロールがきかなくなるような不安も・・・そうなってほしくないですよね。
自分のいる職場や家庭の雰囲気が悪い。職場の社員や家族の心がどうも乱れていて感情的にも不安定な様子が見える。まずそのことを察知する、気づくことが必要になります。気づいたらその悪い流れを一回せき止めなければならないでしょう。アンガーマネジメントコンサルタントの戸田久美さんの著書「いつも怒っている人もうまく怒れない人も図解アンガーマネジメント」によれば、よく怒りの感情が湧き上がってきたときには、6秒間落ち着く時間をとることをお勧めしています。
どんなに強い怒りを感じたとしても、怒りのピークは長くて6秒といわれています。そこで、まず最初の6秒をコントロールすることが重要です。
「ああ、そうきたか・・・ああ、そうきたか・・・」と2回言葉を心の中で呟くといいと、以前、知人がセミナーで教えてくれました。こうすると、ちょうど6秒経過するようです。その後に次の行動を起こします。そうすると、怒りのピークが過ぎ、冷静に対処できるようになります。
ピークが過ぎた後で、6秒前に取り組んでいたことと別のことをやるようにしましょう。たとえば、職場のメンバーを注意していたとしたら、その注意をするのは一旦中断しましょう。場所を変える、時間を変える行動などをすることです。製品の検査についてなにか滞りが生じて怒りを感じていたら、その検査の業務からは一度離れて、自分の手帳やスケジュールソフトなどを眺めるなど、まったく別の行動をとるようにしましょう。

そして、職場や家庭でなにか心の乱れがあると察知して、落ち着いた後で、改めてコミュニケーションをとりあう場面をつくるようにしましょう。コミュニケーションをとって場を和ますためには、その場が柔らかくなるための材料をしっかりと用意するのがお勧めです。材料といっても、多額の費用をかけて用意する必要はありません。お互いの気持ちがほぐれるくらいの簡易なものでいいのです。
社内で部活動のようなことをやっている社員がいてもいいでしょう。スポーツや文化的な活動などに力を入れられるような仲間と一緒にいると、お互いに気持ちがほぐれるだけでなく、ふだんの仕事ではわからなかったようなことが部活動の場でわかることもあるでしょう。最近は、画像のようなカードを使ってコミュニケーションを楽しむことも一つの取り組みとしてとり入れられることも増えています。簡単なルールさえわかっていればできるものが多いので、楽しんでみるといいでしょう。なかなか話せないことが、カードを利用して話せるようになるのでお勧めです。
こうした業務の場面以外でコミュニケーションをとる場面を、砕けた話も含めてできるようにすることが、幸せな職場にするための第一歩です。お互いに話したいことを話し、お互いに聴きたいことを聴くような場をつくっておくと、心の乱れが出てきたときには役立つかもしれません。仮にそこの輪に入らなくても、人によっては一人の時間を確保したいという場合もありますから、無理にコミュニケーションをとろうと強制する必要はありません。「なにか話したい、聴きたいと思える場面が必要になったら話そう、聴こう」でいいのです。自然にコミュニケーションをとれる場をつくる。無理やりの場づくりではなく、自然に場ができるくらいのイメージでいきましょう。
お互いに自然とコミュニケーションがとりあえる場面で、お互いに考えていることがわかると、その場もとても楽しくなるでしょう。お互いに気持ちをほぐし合いながらまた仕事に力を入れられるようになることで、こうした今の厳しい状況を乗り越えていけるのではないでしょうか。厳しい状況を乗り越えて感染症のリスクをなくし、お互いにストレスをため込むことなく、周りのメンバーとともに気持ちがほぐれていくような職場をつくっていきましょう。それによって成果も出せるでしょうし、仕事にやりがいも実感できるようになる。そういった社員が増えてくれば、大きな困難も乗り越えられるでしょうし、会社自体の業績を伸ばすことにつながります。コロナウイルスに屈せずに進んでいきましょう!
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