新型コロナウイルス感染症の見えない脅威。静岡県でも感染者が出て以降、なにか全体的にピリピリしている感じがします。たしかにいろいろな意味で見えないリスクとの戦いになっていますから、どうしてもピリピリしてしまうのかなとは思います。
ただ、一緒になってピリピリしていると、どんどんその居場所の雰囲気が悪くなります。誰もがピリピリしているから一緒になってピリピリするのが果たしていいのか。同じようにピリピリすることがいいのか。私は、ストレスをため込むのが一番良くないと考えているので、ストレスをためこむことなく、自分の思うがままに動くように取り組んでいくのがベストではないかと思うのです。
どんな見えない脅威があろうとも、どんな厳しい場面がこれからやってくるかもしれないと思っても、きっと乗り越えることができてその先に明るい未来があるのです。この新型コロナウイルス感染症の脅威には必ず終わりがあるので、終わった後は明るい未来がやってくると信じてみませんか?私の会社の名前にある「みらいクリエイション」のように、また、私の会社の理念でもある、「未来に向かって挑戦し続けられる社会」がやってくるのを信じて、今はじっと我慢するところは我慢なのです。
ついつい目前の危機に直面して、そこで不安な気持ちにとらわれてしまうのも無理のないことなのですが、ただ、あまり目前の危機にとらわれてしまっていては動きがとれなくなります。どんなに厳しい場面であっても、先の明るい未来を見る眼を閉じてしまってはいけないと思います。
前野隆司氏の「幸せな職場の経営学」では、長野県の伊那食品工業の例が出ています。伊那食品工業は、坂本光司氏の「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズにも取り上げられています。それだけ社員が幸せを実感している、家族のような会社であるといえます。「社員の幸せを目的とした経営を実践する企業」としても注目されているのです。
前野氏の「幸せな職場の経営学」の中では、二宮尊徳公の言葉が取り上げられています。
「遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す」
いい会社を続けていくためには、「遠きをはかる」ことの必要性を説いています。「遠きをはかる」について、書の中では、伊那食品工業の経営戦略になったこととともに、このように書かれています。
目の前の数字や物ごとにとらわれるのではなく、周囲と自分の幸せを俯瞰的に捉え、これからどうすべきかを考える。それが「遠きをはかる」経営です。
個人も会社も、どうしても生きていくために必要なものもあります。しかし、あまり目の前の生きていくためのものだけにとらわれていると不安な気持ちになってしまい、心を痛めてしまうでしょう。落ち着いてもう一度原点に立ち戻ってみる。そうすると、「今は何をしていくのか」、それも一挙にやるのではなく、「一つ一つ積み上げていくことがある」と認識できるのではないでしょうか。まさに小さなことからコツコツとやっていくということです。
私の会社はまだまだこれから未来に向かっていく会社ですから、そんなに大きなダメージがコロナウイルス感染症などによって出ているわけではありません。ただ、こうした世の中の情勢によって、今までとは発想を変えて創り出していくものがあると考えています。「幸せな職場クリエイター」という自分のやりたいことを一つの呼称にしたのも、その表れです。働くことに幸せを感じられる職場こそが組織や企業の業績を伸ばし人材の定着につながる、という考え方が腑に落ち、そして、実際にそういう企業が今も発展し続けています。一方で、不幸のどん底のような気持ちになった職場に私はいた経験があります。だからこそ、幸せを実感できる職場を自分でつくり、それをもっともっと社会に広めていくお手伝いがしたいのです。その手段の最たるものが人材の育成や職場環境の整備にある。これまで獲得してきた様々な知恵や、周りの優れた仲間やパートナーの力を借りて、「幸せな職場づくり」を実現したいのです。コロナなんかに負けちゃいられません!!
前述の前野氏の書の副題は「『働きたくてたまらないチーム』の作り方」とあります。危機的な状況だからこそ、同じ組織や企業の仲間同士で力を合わせていくのが必要となってきますよね。経営のやり方を工夫していけば、家族的な経営をすることだってできるというのが中小企業の特権です。伊那食品工業が決して特別な会社ではなく、真似できるところはいくらでもあるでしょう。同社の経営理念(社是)は、「いい会社を作りましょう」です。この理念に立ち返り、今できること、今やれることをお互いに社員同士が力を合わせてやっていけば、コロナウイルス感染症の危機を乗り越えることができて、きっと、「いい会社」と社員たちから胸を張って言われるようになるのではないでしょうか。お互いに相談しあう、お互いの存在を尊重し合う関係をつくりながら、最後は経営者が決断をする。そんな職場や会社をつくっていくために、前進していきましょう!

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