富士山です。画面のちょっと脇になりますが・・・

右手の隅にあるのが富士山です。この後、雲がとれてしっかりと見えた時間がありました。ただ、すぐに曇ってしまい見えなくなりました。午後になると黒い雲が覆ってしまい、全然見えなくなったのです。
ただ、こうして富士山のある景色に癒されるので、私は幸せを実感しています。幸せな職場というのは、決して働く場所でもある事務所だけの話ではなく、その事務所の所在地、地域についてもよーく見つめて直してみると、幸せの度合いが変わってくるのではないでしょうか。
幸せ、というのは、人それぞれによって異なるし、言葉にしても違うのでなかなか受け容れがたい概念かもしれません。たしかにその通りです。では、それでは「幸せな職場」なんて所詮は絵空事じゃないか、という批判も出てきそうです。
こうした曖昧な「幸せ」の概念を研究し始めて、「幸福学」という学問として、幸せに生きるための考え方や行動を科学的に研究し始めたのが、慶応義塾大学の前野隆司教授です。その考え方を、どのようにして日々の人生や仕事に活かしていくのかを考えていく、ということになるのです。「幸せのメカニズム」という本のなかでも、「幸せを構成する4つの因子」が紹介されていて、この4つの因子に基づいた考え方をもって行動することで、幸せな気持ちがどんどん高まってくるというわけです。
昨今は、新型コロナウイルス感染症の影響で少し話が薄れつつテーマですが、「働き方改革」を推進するにあたって、この「幸せ」に関連する考え方を追求していく必要があります。この春に中小企業に対しては、残業規制や有給取得の促進など、労務上の規制にかかわることについて、特に「悪」とされているものを「善」にする、という考え方に基づいて行われるように思います。働き方改革は、社会的には「悪」とされていることをなくしていこうという取り組みにも聞こえます。しかし、働き方を改革していくことで正直幸せだといえるのか?ただでさえコロナウイルスの影響で、人の気持ちは不安や不信な気持ちで覆われていくような局面です。こんな状況で、決まったことをそのまま法律として施行するタイミングなのだろうか、という疑念が払しょくできません。
働き方改革というのは、決して労務上の法規制で何かを治すというような、治療的な概念で捉えてはいけないと思っています。治療的な概念では、企業や人材は「よくないもの」という前提に立っているようにも聞こえます。そうではなく、もともともっている「良いところ」を引き出してあげるようなかかわり方をしていくべきではないでしょうか。
たとえば、規制をかけて「守る」「縛る」ことよりも、「楽しめる」「やりがいがある」と働く人たちが思えるような「働き方改革」を進めていかなければならないでしょう。ただでさえ、今の社員にはストレスがかなりかかってしまっています。そういったなかで、相手を「労わる・激励する・褒める・認める」など、顔を突き合わせて話をするのが難しい環境であっても、何らかの手段で言葉を投げかけることができているか?また、仕事をするうえでサポートが必要な社員に対しては、社内外の資源を活用したうえでサポートできているか?こうして、お互いの仕事を支えあって、成果を出せるように支援することで、仕事に対して「楽しめる」「やりがいがある」と思ってもらえる社員を増やす。これが今求められている「働き方改革」ではないでしょうか?こうした働き方改革を推進するうえで、特に組織のリーダーとなる社員に求められるものは大きいです。前野隆司氏の著書「幸せな職場の経営学」の中では、以下のように述べられています。
「このチームだと楽しい」「チームのために頑張れる」という「場」や「つながり」を創り出し、提供できる調和型リーダーこそが、これからの真のリーダーになると言えるでしょう。
リーダーは、自分一人ではなく周りのメンバーの仕事の「やりがい」を導き出すことができるのか?今までのような強烈なカリスマ性では難しいでしょう。カリスマ性ではなく、調和や協調といった概念を大切にするリーダーであるべきでしょう。メンバー同士の「つながり」を、様々な社内外の資源を活用しながら創り出し、そのつながりの中で「楽しい」「やりがいがある」という気持ちがどんどん出てくればいいのです。コロナウイルス感染症の拡大があっても、それを一つの契機にして、仕事の楽しさややりがいを実感できるような職場を創り出していく。そんな取り組みができれば、たとえ厳しい社会情勢の下でも、幸せな職場を創り出せるのではないでしょうか。
まとめで国民全体で不安になっても、余計に不安になってなにをするにも嫌になってしまうだけです。職場においては(に限らずですが)、日々やるべきことを一緒に声を掛け合ってやる。たとえば、うがい、手洗い、消毒などを、みんなで声を掛け合ってやる。そうした一つ一つのやるべきことの積み重ねが、仕事への「楽しい」「やりがいがある」という気持ちを引き出していくのではないでしょうか。その気持ちを持てる瞬間をひたすら積み重ねていけば、長期的には人材の定着や業績の向上をもたらす「働いて幸せを実感できる職場」への道が開けるのです。
目の前の状況に立ち向かっていかなければいけないのですが、こうした厳しい状況には必ず終わりはあります!気持ちをほぐす、不安をなくす。規制ではなく、仕事に対して「楽しい」「やりがいがある」と思えるような働き方改革を進めていきましょう!コロナに負けないぞ!!
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