東京はどんどん寒くなりますね。朝晩の冷え込みが厳しくなっています。

その東京で、昨日は「研修講師になりたい方向けのセミナー」に登壇してきました。もともと私は、研修講師としての経験以上に、研修会社(よくエージェント、ベンダーともいわれます)の営業としての経験が長く、この業界の構造をある程度は把握しています。研修会社やコンサルティング会社での講師としての経験と講師を見てきた経験の両方をある程度しているという人は多くないと思います。
そして、ここに至るまでの経験としてもう1つ着目しているのは、形のないものを営業してきたという経験です。営業の経験の中でも、形のないものを営業するのはよく難しいと言われます。もちろん、価格の高いものを売る営業も難しいと言われますし、技術営業の仕事も難しいし、営業の仕事に簡単も難しいもないとは思います。ただ、形のないものを売るという仕事は、目の前に商品がないために、いかに買い手に購入後の姿を想像してもらうかが大事で、想像力を買い手が持ちあわせていなくても、買い手が購入後の姿を想像してもらえるだけのスキルが要求されます。
形のないものは、営業をする際には買い手とのやりとりを密にしなければいけないでしょう。研修という商品は、形のないものです。研修の資料や講師の存在を考えると、決して形がまったくないもの、というわけではありません。ただ、資料や講師だけを買ってもらう仕事ではありません。研修という一つの総体、いや、作品なのかな?を買ってもらうのです。だから、その研修の中のパーツだけ一生懸命に話しても買い手が想像できないのです。
最近は、あらゆる業界でよく価値を売ると言いますが、形のないものを営業するときに特に要求されるのは、買い手にその価値をどれだけ感じてもらえるかです。ものを売るのではなく、買った後に広がる先の姿を買ってもらうとでもいうのでしょうか。形のないものを営業することは、ある意味、何か社会の姿や組織の姿、市場の姿を売るような大きなものなのかもしれません。だからこそ、そこにかかわる人たちには、あらゆる面で高い知識やスキルが求められます。それは、研修という商品を営業する営業パーソンにも同じことがいえます。そして、研修という商品を動かす講師にも同じことがいえます。
形のないものの営業によって、それを買ってもらった後の姿を想像してもらえるかどうか?そのために何をすればいいのか?研修の場にかかわる人たちに求められるものはなんなのかということです。買い手に価値を感じてもらうようにすればいい、と言えば簡単ですが、それ以上に、どんな姿を想像できるかを営業が描いて、買い手をそこに導くことが重要になってきます。

私は、研修の営業の仕事は難しいものであると思ってやってきました。しかし、その難しいという状況を乗り越えて結果を出せたのは、いかに買った後の姿を想像してもらえたか?そして、そのために必要な資源を多く活かせたかにつきます。形のないものを営業する場合には、その「もの」の知識だけではダメで、その知識を活かせるだけの周辺の情報の獲得や人材の活用なども含めて、幅広く行動する必要があります。そういった行動への飽くなき欲も持っていないといけないなぁと思います。
形のないものを営業するために必要なものはなんでしょうか?一人一人の営業の方々がそれを突き詰めていく過程で、買い手のことを十分に想像し、結果をしっかり出せる状況をつくっていきましょう。
そして、そのために必要な支援は惜しみません。セミナーでも研修でもそれ以外の相談でもOKです!自分の経験が役に立つのならば、それだけでも嬉しいですからね!
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