ブログ

人と人が分かり合えるのは美しい

なんと言ったらいいのでしょうか・・・

なかなか分かり合えなかった人同士が分かり合えた瞬間。その瞬間はとても美しいなって思います。なかなか分かり合えなくて、お互いに言えなかった感謝の言葉が一気にあふれてくる。そして、感情が爆発したかのように涙があふれて二人は一緒に泣いている。

人と人とが分かり合えた瞬間は、その分かり合うまでのプロセスが長くて険しかった時ほどとても美しいなって思います。人としての魅力が前面に出てくるように思うのです。お互いに面と向かって声をかけあうまでに、それがなかなかできない。少しずつ少しずつ・・・最初は誰かを介した言葉を伝え聞いて相手の気持ちがわかってくる。また、その段階を越えると、徐々に距離が縮まり始めて、やがて直接言葉を交わす前には、手紙やメールなど、文字での言葉の交換が起こりはじめて・・・そして、その言葉の交換からなにか一気に緊張が吹っ切れて、言葉がポツポツと交わされて・・・

こういうシーン、みなさんはどのくらい見てきた、あるいは自分自身がしてきた、そんな経験はありますか?

今書いていて思い出したのですが、中学校の時、友人がいきなり何か腹が立ったみたいで急に無視をし始めたことがありました。しばらくは呼びかけても言葉を交わそうともしない。やがて無視をされ続けるともうこちらも話しかけるのが嫌になるので、相手にしなくなるんです。

ただ、ずっとその状態を続けることが急に苦しくなってきます。やっぱりあいつと話をしたいなって。きっと自分が相手を傷つけたに違いない。そう思って勇気を出して謝るまでに、周りの仲間たちを巻き込んで徐々に間合いをつめていきます。そして、ようやく言葉を交わす瞬間が訪れます。やがて何事もなかったように、いつもと同じように会話をし始めます。中学校の男子って、今思うと実は複雑な気持ちを抱えていたのかなって思います。口をきかなくなるなんて大人げないなって思っていたけど、決してそんなことはなく何か理由があっていつしか心を閉ざしてしまう。ただ、やがて分かり合える瞬間が訪れて、再び言葉を交わし始めるんです。

古本屋で目に留まったこの小説が、人と人とが分かり合える瞬間の美しさを教えてくれたように思います。お互いに顔を突き合わす瞬間がないまま時間ばかりが経過していましたが、やがて活版印刷で刷られた栞の文字を通して二人が涙を流し合う。こうしてお互いが分かり合えなかったのに分かり合えた。誤解が解けた瞬間でした。

こうして、目先の違うものに触れると、人として大切なことを思い出させてくれます。人と人とが分かり合う瞬間の美しい時間。その時間を経験することによって、自分の生きる専門分野にそれが活きてくるように思います。秋から冬にかけて、専門分野とは異なる分野の知識に触れることで人として成長できる。そんな瞬間を楽しみたいですね。

明日も関東での仕事です。いつもと違う都会に再びやってきて、また何か異なった気づきが得られるのでしょうか・・・

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。