新年度が始まり、ゴールデンウィークに入りました。4月の稼働日で、新しく職場に入った方々は慣れたのでしょうか?そんな心配をしてしまうのが私です。
様々な背景をもっている人たちがいるのが職場です。同じ職場にいるからといって、皆が考えから何から同じということはありません。全員が同じ考え、となると、それは組織としては健全なものではないでしょう。様々な考えをもっている人たちが集まるからこそ、組織としての力が最大限に活かされるのではないでしょうか。特に多様性が大切にされている今の時代。組織としての力を最大限に活かすためには、職場内で多様な考え方をもった人が共存しているのが良いとも思えます。
ただ、そのときに、他者を排除するような大きな力をもった社員が、その力で別の社員を押さえつけるようなことがあってはなりません。先日も、東海地区の自治体のトップがハラスメント行為の責任をとって辞職するニュースがありました。相変わらずパワハラにかかわるニュースが世間をにぎわせています。パワハラは極端になった例ですが、相手を従わせようとする場合は、強烈なやり方をとろうとするのです。当然ですが、パワハラは許されるものではないです。相手を力で従わせようとして、職場の空気を乱すような行為は撲滅しないといけません。数年前にも同じようなことを書きましたが、まだまだ難しいのでしょうか・・・
パワハラにつながっていくようなマネジメントをする上司。いますよね。マイクロマネジメントと呼ばれるマネジメントがその一例です。とても細かく部下の行動をチェックする上司。
サイボウズ式編集部の藤村能之氏の著書「『未来のチーム』の作り方」では、マイクロマネジメントについてこう書かれています。
人のことをタスクの進捗でしか見ず、感情や気持ちをないがしろにした進捗管理やマイクロマネジメントをすることは、受ける側にとっては嫌な気持ちしか残りません。
タスクの進捗を行う上司のなかには、経営陣に状況を報告するために、などの理由で、部下の状況を細かく知りたくなり、慌ててタスクマネジメントを始めるケースがあります。「事柄のマネジメント」を事細かにやろうします。
かつて私が会社員のころに一緒に仕事をした上司のなかにも、同じような状況に陥ってマイクロマネジメントを行い、周囲からとても嫌がられる方がいました。最近は少ないのかもしれませんが、朝から大声で部下を呼びつけて「どうなっているんだ!ちゃんとやれよ!」みたいことを言っているのが聞こえてきたものです。今はパワハラ、ブラック企業の烙印がついて回るリスクがあるので減っているのかもしれませんが・・・
周りの人の気持ちがどのように変化するのかを考えることなく、自分のためだけに細かなタスクマネジメントばかりやっていると、一緒に仕事をしようという気持ちが薄れます。そのせいで、部下が精神的にまいってしまうこともあるのです。細かすぎるマネジメントが原因で部下を休職に追い込むような上司がいるという話はよくききます。「部下クラッシャー」と恐れられたりするのです。上司が自分のためにマネジメントを行っているにすぎず、チーム全体を見たマネジメントができていない表れではないでしょうか。日々の動きを見ていれば、慌ててマイクロマネジメントをする必要はないはず。上司本人は自分の仕事を真面目にやっていると思っているのかもしれませんが・・・
藤村さんは、「人の状況」を見ることが大切、であると著書の中でも触れています。これに対して「仕事の状況」ばかりに執着してしまうと、部下は上司と話すのが嫌になってしまいがちです。
私はかつて、短期間ですがコンサルティング会社に在籍していました。このときの上司は、人の気持ちなどどうでもよくて、まさに「仕事の状況」にしか興味のない人だったのかなって思います。仕事の内容ばかり話をして一方的に話してばかり。相手の発言を否定する傾向もありました。そして、相談したいことがあって質問をすると、それに対しての指導や助言はなく、ダメ出しばかりでした。売上の数字の見込に留まらず、行動予定、資料の内容、文字の大きさ、色の使い方など、かなり細かくチェックされました。何のためにやっているのか、そのことを十分に理解できず、とにかくチェックされたことへの嫌悪感だけが残った状況でした。
私の行動に対して、会議の場でも全員の前でダメ出しするし、私が帰ろうとするタイミングに呼び止めて、細かく干渉してくることもありました。しかも、周りの先輩も細かい干渉を一緒になってし始めるときもありました。結局は、私の気持ち、考えなどはまったく気にしていないし、私が何かを述べてもまともに聴いてもらえませんでした。事細かに仕事の進捗をチェックし、私がなかなか思うようにいかなくて相談をしても、「なんでできないの?やらなきゃだめだよ」しか言わない。私の気持ちや考えにはまったく向き合ってもらえませんでした。心の逃げ場のない状況があったように思います。
私は、そんな上司と一緒に仕事をするのがだんだん嫌になり、自律神経失調症がひどくなって休職を決断しました。2014年の秋のことでした。社会人として働いていて最も辛かった時期です。
現在は、出会った方々の一人一人に向き合うことを心がけています。特にキャリアコンサルティング等の場面では、一人一人の話を聴くことを意識しています。もちろん、細かな行動のチェックなどはしていません。自分で自分をコントロールしてやっていくことは簡単ではないのですが、自分の気持ちに向き合って様々な仕事ができるのは、とても楽しいですし、幸せなことです。時々傷つくことはあっても、それを上回る喜びや達成感、幸福感があるのが、今の仕事だと言い切れます。
マイクロマネジメントは、不幸な職場をつくる手法になりうると考えます。細かなタスク管理を常に過剰に行い、部下の気持ちや考えにまったく気を配らない、聞く耳を持とうとしないのでは、やがて過去の私のように社員は辞めてしまいます。俗にいうブラック企業というのは、こうした人の心の状況に向き合えない経営者や上司が存在していて、心ない言葉を平気で発して空気を乱してしまうのかなって思います。最近、退職代行サービスを利用して会社を辞めてしまった新入社員のなかには、社長のパワハラまがいの言動が原因になったという事象もあるようです。
ひたすら「目標!目標!」、「タスク!タスク!」と社員に言い続けて、社員の事を、心のある人間として考えていない、まさに組織の歯車(古いですが)や駒でしかみていないのでしょう。
メンバーの気持ちに目を向けること、メンバーの様子も見ながら仕事を進める。職場のリーダーの方々は、「どうしたの?」「今のところどんな感じなの?」などと、メンバーの様子を見ながら声をかけていますか?あまりしつこくせずに、メンバーの仕事には過度に干渉することなく声がけしてみましょう。そうすると、何か動きが止まっていたり、いつもと違う表情をしたりするメンバーがいるのに気づくことがあります。これがメンバーの変化のサインです。チームとして機能していて、働いていて楽しいと思える職場では、細かな業務の館長はせずに、リーダーがよくメンバーの様子を見ています。「人の様子を観察できること」や「心に気を配れること」が、今の職場リーダーには必要だと実感します。
広い視野で物事を見ると、人の状況や気持ちを示すサインも見えてきます。業務の状況の一点だけしか見ていないと、部下に質問責めをして細かくチェックするだけのマイクロマネジメントになってしまいます。広い視野で、落ち着いた心で、人の状況をよくみてチームをつくっていく。こうした取り組みができていくと、メンバーが能力を発揮できて、幸福感のある職場がどんどんひろがっていくのではないでしょうか。
この記事は、過去の記事のリライト版になります!






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