新型コロナウイルス感染症の拡大で、周りでも自粛ムードで元気をなくしている方が出てきています。今回の件に関しては、一体どうなってしまうのかは誰にも予測のつくものではないでしょう。いくつかの会議に出ていても、一様に同じようなことが話題になります。そのことに対して恨み節を述べても何も解決しないですから、万事一歩でも前に物事を進められるように今はできることをやるだけです。
個人だけでなく企業でも同じことが言えます。業界単位でみてもインバウンド需要を多く取り込んでいたところや、海外取引がないとサプライチェーンが機能しないところなど、厳しくなっている業界も見られます。安易なことはいえませんが、どんなに厳しい状況でもあきらめてしまったらそこまでです。乗り越えていくための知恵をお互いに出しあって乗り越えていくしかないと思います。関係する人たちが大々的に集まるのが難しければ、つながりの強い人たち単位で、まずはいろいろと自分たちの考えを率直に交換していくことが必要ですね。
そのときに、みんなで暗くなっていては何も前進しません。無理やりにでも上を向いて「自分たちは大丈夫だ!大丈夫だ!」と言葉にしていってみることが必要ですね。必ずしも「大丈夫」という言葉ではなくてもいいのですが、お互いの居る場所を良くするような、気持ちをポジティブにするような言葉が欠かせないでしょう。昨日のブログ記事にも似たようなことは書きました。
そして、他に大切なものがあります。それは笑顔です。職場の雰囲気を良くして職場メンバーの気持ちを安心させ、喜ばせる一番の武器は笑顔なのです。デール・カーネギー氏の「人を動かす」の中では、このように書かれています。
笑顔は、お金がかからず、多くを生みます。一瞬のことなのに、永遠に記憶に残ります。買うことはできません。せがむものでもありません。借りることも盗むこともできません。与えて初めて、現実に価値を生むのです。疲れ果てて笑顔になれない人には、あなたが笑顔を向けましょう。与える笑顔が残っていない人間ほど、笑顔を必要としています。人に好かれたいなら、これを実践しましょう。
顔の筋肉を動かせばできるのが笑顔なのですが、なかなかこれができないという人もいるかもしれません。私は、かつて自律神経失調症を発症したときは、笑顔になることが全然できなかったです。無理やり作ろうとしてもだめでした。
毎日怖い顔をしていて、あるいは真面目な顔をしようと思ってかえって怖い顔になっていました。笑いたいと思える心境ではありませんでした。当時の先輩には、「もっとにこやかに仕事しろよ」「元気で仕事してくれよ」とよく言われたものです。しかし、この先輩とのコミュニケーションがなかなかうまくとれず、不快に思うこともいろいろと言われたせいで笑顔になれなかったんです(苦笑)。
その後、日本褒め言葉カード協会のセミナーに初めて参加したときに、全然笑顔になれていなくて、周りの人たちに指摘された時には悲しかったです。真面目になにかを考える仕事を長くし続けていると、怖い顔をするのが当たり前になってしまって笑顔になることを忘れます。
その一方で、ある職場にいたときには、「笑って仕事するな!」と恫喝されている同僚がいました。緊張感をもって仕事をしろ、とよく言われたものです。このように、私のいた環境は、とにかく笑顔に縁遠いところが多かったのかもしれません。
昨年の春に静岡で会社を立ち上げてからは、妻と二人で会社を経営していますが、日々笑顔で仕事をしています。富士山のある景色や富士市の夜景などをみていますと気持ちが穏やかになり、日々様々な変化に対して笑顔で仕事をするようになりました。なにか辛いことがあっても、お互いに心情を打ち明けて話をしてすっきりとするのです。おかげで会社に行くときに感じていた憂鬱な気持ちもだいぶ軽くなりました。昨年出版した拙著にもその時の経験を踏まえて、心を整えるポイントをまとめてみました。こうして、気持ちが徐々に日々軽くなり、新型コロナウイルスで大変な今でも、笑顔だけは忘れずに気持ちを穏やかにできています。
前述の「人を動かす」のなかでは、「笑顔には100万ドルの価値がある」、「笑顔は『あなたが好きです。あなたのおかげで幸せです。会えて嬉しいです』ということを物語っています。」と書かれています。笑顔の力は人の印象をよくする力があるので、同じ場にいる人たちにも良いものがもたらされるといえます。
職場で働く人たちにとって、職場に笑顔があるというのは、まさに働くことへの幸せややりがいを実感できる一つの指標ではないでしょうか。職場の空気がよくなればまたそこに行きたくなる、つまり仕事を同じ組織でし続けたくなるのではないでしょうか。その場に存在し活動するためには、周りからの笑顔がとても良いエネルギーとなります。経営理念や接客用語を社員全員で唱和するのもいいのですが、みんなで一定時間笑顔になってから日々の仕事を始めるというのも良いのではないかと思うくらいです。
幸せややりがいのある職場には笑顔が欠かせません。笑顔になっていれば業績がすぐ上がるとは限りませんが、顧客や社会からの印象がよくなるでしょう。営業目標を達成したときや大型案件の受注をしたときのように、職場の責任者が嬉しいときだけではなく、そうでないときでも日々笑顔の浸透を心がけていくと、どんなに苦しい状況であっても、社員は幸せややりがいを改めて振り返ってみることができて仕事に取り組めるのではないでしょうか。職場のリーダーが率先して、日々の笑顔を実践していきましょう!

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