組織の中でよく行うべきものとして言われていて、ちょっと変わった言葉で覚えて実践するものとされている。これが「ホウレンソウ」です。報告・連絡・相談の略称で「報連相」と漢字では書かれています。ずいぶん一般的に定着した言葉ですよね。
ホウレンソウは新入社員の研修ではほぼ出てくるテーマです。「ホウレンソウを徹底しなさい」とは言われますが、果たしてどのようにすればいいのか、このあたりが不明確なように思います。言うは易く行うは難し。まさにホウレンソウはその代表格です。
私はかつて、このホウレンソウで相当苦労しました。どのタイミングでホウレンソウをすればいいか、自分のタイミングで報告をすると、迷惑そうな顔をされたことがあります。また、確認するために上司のところにいくと、「そんなこといちいち言わなくてもわかっているでしょ、自分で確認してくれ」と言われたこともあります。なにか報告しにいくと、ほぼ100%怒られる。上司としてできていないと思うポイントが一か所でもあると、そのミスをとにかく怒る。これではコミュニケーションが上司と取りづらくなってしまいます。報告のたびになにかを言われることが怖くなるのです。ホウレンソウをしろと、上司は都合のいい時に言うけれど、そういう職場環境が整っていないことをまったく置き去りにしているような状況があるのです。
今週木曜日、幸せな企業研修講師となるための学びの場、藤咲塾では、このホウレンソウについてとりあげました。ホウレンソウをテーマにして、人材育成を推し進める。このときに大切なのは、「なぜホウレンソウが必要か?」ということです。ホウレンソウを行わないと、情報の停滞がなされてしまい問題のある情報は共有されなくなります。また、上司と部下のコミュニケーションが少なくなり、職場の雰囲気はどんどん悪くなる一方です。こうした状況を防ぐためにもホウレンソウは必要になりますが、一番大切なのは一体なんでしょうか?
それは、組織の業績の向上です。人材育成の目的は業績の向上ですが、ホウレンソウの目的も同じなのです。チームの雰囲気を良くすることもそうですが、それによってどうなるかを考える必要があります。そして、なぜ人材育成を行うのかと同じで、ホウレンソウもなぜ行うかを高い視点で考えなければならないのです。ホウレンソウを徹底させると、職場の上司部下のコミュニケーションが円滑になります。悪い情報はすぐに吸い上げられ、改善が素早くなされるでしょう。また良い情報は共有されることによって意思決定が迅速になり、業績アップの要因にもなります。
今回の藤咲塾の内容を踏まえ、組織でホウレンソウを徹底するためのポイントを整理しておきます。
1.笑顔や挨拶のある職場にする
笑顔が?と思われるかもしれませんが、そもそも怖い顔をしている上司に報告をしたいと部下は思うのでしょうか?かつての私は、上司として怖い顔をして仕事をしていたことがありますし、逆に、部下の立場として、そういう怖い顔の上司に報告せざるをえないときも多くありました。笑顔のない、怖い顔の社員がいっぱいいる職場では、ホウレンソウが行われないのは当然ですね。悪い報告をしたら怒られるのは確実という空気が出ていますからね。笑顔で皆が働いている職場であるべきです。
挨拶も笑顔同様にふだんから習慣になるようにするべきです。挨拶は仕事の一つです。朝から無視して挨拶すらしない社員がいるのは言語道断です。こうした現象があると、ホウレンソウなんて行われませんね。笑顔、挨拶のある職場にすることが、ホウレンソウを徹底させる第一歩です。
2.きびきびとした動きのできる職場にする
社員がふだんからきびきび動いていて、躍動感のある職場になっているでしょうか?部下が上司のところにきびきびと動ける習慣がついているかということです。業績の悪い職場は、なにか行うにしても期限は設定されないし、ダラダラとしています。疲れた表情の社員も多く見られます。また、何かをするときとそうでないときの行動の早さにムラがあります。きびきびとした動きがとれない環境になってしまっているのです。これではホウレンソウがスムーズにいきませんね。
3.報告のタイミングが守られている
特に時間をかけて取り組むことについては、中間報告は必須です。1か月かかるものを、中間だからといって、指示を受けてから15日後に中間報告をしても、指示した側は忘れています。そんなことをしたら、指示した側が激怒します。また、指示した側は、特にそれが経営層になればなるほど、スピーディーにまず着手することが要求されます。仮に長期で物事に取り組むとしても、すぐに中間報告、まず着手したという報告はすることが必要です。中間報告のタイミングでしくじることのないようにすべきです。
4.伝える手段を変えて確認する
たとえば、「わが社は連絡はメール文化」と自負している会社も、重要な連絡や複雑な連絡は、メールだけで終わらせないようにしましょう。送ったら電話で一報するなど、メールを送って伝えた、つもりにしないことです。返信がないから「わかってくれたと思った」では危ないですね。伝えたつもりになっていて、伝わっていない可能性が高いですね。きちんと伝わったか確認しましょう。
5.相談はオープンマインドでできるようにする
明るい職場、笑顔のない職場ですと、上司は「相談をするように」と口を酸っぱくして言い始めます。しかし、上司が何度言っても相談がなかなかこないのです。相談をすると怒られるので、重要なことは隠してしまうのです。もちろん、そんな状況ですと、仕事と関係ない事を相談するなんて、まずありえません。相談が隠蔽されることのないようにするためには、やはり最初の項目でまとめた、笑顔や挨拶が大切になりますね。オープンマインドで相談できるようにする職場環境をつくりましょう。
5つのことができるようにするために、私は、主に中小企業の方々を中心に、業績のアップにつながるような取り組みをホウレンソウの徹底などを通して実現したいと考えております。ホウレンソウだけでなく、「職場のコミュニケーションの改善が業績アップに直結!」をテーマに、中小企業の方々の人材育成のサポートをしていきます!特に営業関連の部署や企業には、こうした考え方を徹底して行っていくべきですね。

お互いを信じあい、笑顔でかかわりあう仲間とは、どんな難しい事であっても実現できてしまうのです。画像にあるように、人をいとも簡単に指だけで持ち上げてしまうかのように。幸せな研修講師の仲間の方々と共に、ホウレンソウをテーマにして業績のアップにつなげられるような取り組みを、それぞれの地域で実践できるようにしていきたい。みらいをつくりだす富士みらいクリエイションならでは、です!
ホウレンソウは言葉できくと簡単なのですが、実践するとなるととても難しい。しかし、地道に実践して習慣になれば組織の業績向上につながるものです。過去に私はホウレンソウで嫌というほど数多くの失敗をしてきました。こうした失敗を地域の中小企業の方々にはしてほしくないがゆえに、幸せになってほしいがゆえに、人材育成を通して地域の発展に尽くしていきます!
ホウレンソウの徹底で組織を変え、成長につなげていきましょう!
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