
昨年、何度も訪れたお茶の水のソラシティです。この地下の空間は誰もがのんびりとお休みできるような空間になっています。この空間で、朝、少しお休みしてから、公益財団法人21世紀職業財団が開催したセミナーに臨みました。
私はこの財団のハラスメント防止コンサルタントとして登録をしております。そのため、ハラスメント関連の情報収集は欠かせないと考えております。今回は裁判判例について様々な分析を行う場となりました。
昨今は、パワハラの問題が法整備の速度以上に大きくなっております。個別労働紛争相談件数は、特にいじめや嫌がらせに関するものが最も多くなっており、2018年度は72067件と、昨年度よりも1000件以上増えています。以前は解雇の問題が多かったのですが、昨今はいじめや嫌がらせが一番であり、これがまさにハラスメント問題が各職場で顕在化していることを表しているように思います。
パワハラに関しては、5月末に労働施策総合推進法の改正によって、パワハラに関しての防止対策が法制化されました。企業側が何もしないというのが、今後は悪い意味で目立つ存在になると思われます。相談体制や規程の整備などが必要になってくるでしょう。
更には、6月21日にはILO(国際労働機関)の総会にて、「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約が採択されました。日本は批准していないようですが、世界的にもハラスメント行為に対して様々な対策をとっていかなければならない波が押し寄せているのです。そういった中で、自分たちは関係ないし問題ない、と言い切れる状況ではなくなってきているのです。
日々の職場での言動に耳を傾けてみてください。荒々しい言葉が当たり前のように聞こえてきませんか?今までは「そんなの全然気にする必要がない」という状況であっても、いつ、誰かに「パワハラ」と言われてもおかしくないような状況を職場でつくっていないでしょうか。「昔はこんなのなんともなかった」というのは、もう通用しない時代になっています。変化に対して対応できない社員は置いていかれるのと同様で、ハラスメントの問題に対して関心がない組織はやがて社員から見放されてしまう可能性だってありうるのです。
今日のセミナーでも話題になっていたのですが、部下へ愛情をもって指導するというときに、その愛情の注ぎ方を、今まで通りにやっていると、そのやり方にNGを突きつけられる可能性があるのです。まるで熱血教師や熱血の監督・コーチのような指導を以前と変わらずし続けていると、ハラスメント行為を働いたとして訴えを起こされるリスクがあるのです。
指導のやり方を振り返ってほしいのです。「やり方」です。そのやり方が、パワハラと疑われるようなやり方になっていないか、職場で点検をする必要があるのです。以下のような傾向があると危ないので気をつけましょう。
1.ついつい感情的に熱くなって大声で注意してしまう。自分の哲学を熱く語り、それにそぐわないと大声で注意する
2.人格を否定するような言葉が口癖のように出る(馬鹿野郎、あほんだら、まったく使えないやつだ、親の顔がみてみたい など)
3.大勢の前で見せしめのごとく説教をする
4.長時間拘束して注意する
5.就業時間外でも返事を求めたり、休日に緊急性がないにもかかわらず出勤を強制する
6.人格を否定するような内容のメール、メッセージを送る
このあたりは一例です。100%アウトとは言いませんが、概ね上記のような状況が職場で見られる際には、ハラスメント行為として注意された方から訴えを起こされると危険なケースといえるでしょう。
細かなことを言い出すときりがないのですが、まずは、上記のような状況が職場で見られないか、一度アンテナを立ててみるのをお薦めします。

今日は裁判判例やケースについていろいろと分析をしたせいもあってか、頭がいい感じで疲労しています。こういうときには甘いものがベスト、と勝手に思っています。地元・富士の銘菓「富士山頂」(株式会社田子の月)がお薦めですね。ハラスメントをなくすために、こうした甘いお菓子での癒しもあっていいのでは、と勝手に思っています(笑)。
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