今回は長いタイトルですが、一昨年入会した中小企業家同友会の支部例会で発表をさせていただいた表題の一部をそのまま載せました。タイトルは、「信じることを使命にして」~人材育成に取り組んでいるUターン起業家~、経営者になってからの不安を乗り越えて今語れること、です。
経営者になってからの変遷に時間をかけて発表したのは、今回が初めてでした。初めてというか、正直見つめるのが怖かったのです。ただ、今回改めて振り返る機会をいただき、地域の経営者としての、人材育成の専門家としての軸が一本はっきりとしたものが見えてきました。
2019年5月に創業して経営者になってから訪れた2度の大きな不安の時期。ただ、そのなかでも2番目の不安は本当に危機で、仕事がもう仕事が来ないんじゃないかと不安でいっぱいになりました。それとともに現金もなくなりかけたのですが、それでも希望を持てたのは、地元・静岡での仕事の機会をいただけたことでした。新入社員研修の講師をはじめ、地域の経営者の方々からのお仕事の依頼、そしてさらなるご紹介など、地元で活躍できる素地をつくることができたことで、何とか大きな不安が現実になるのは避けられました。
不安を乗り越えた要因はいくつかありましたが、何より大きかったのは、社長さんに対してのインタビューによってプロフィールを作成してくださる秋田俊弥さんとの出会いでした。秋田さんの、感情を揺り動かすような徹底したコーチング、インタビューによって、私の内面に潜んでいた感覚が言語化されました。秋田さんからは、「信じる」ことを使命にしている自分に気づくきっかけをいただきました。合わせて、目の前の人に余計なことを考えないで「感」を大事に、相手の言葉を大事にしてかかわる大切さも教えてもらいました。
そのかいあって、「信じることを使命に」という一つの自分らしい言葉が浮き出てきました。自分を信じているから、経営者や社員の方々を信じるからこそ、信じる力がどんどん大きく広がって人の成長にかかわるきっかけをつくっていけるのだと思いました。たしかに私がかかわる人や組織の空気が少しずつ変わり、それがいい方向になっていくきっかけをつくれるのが継続的な研修です。研修によって人の行動や姿勢がかわり、それが成果になっていくのも徐々に感じていますし、実際にそういったお話を聴くようになりました。
メモを取るようになった、人の話を聴くようになった、積極的に学びの姿勢を見せるようになった、お互いの話を聴いて共有できるきっかけをいただけた、など、社員の方々の様々な行動の変化のご報告をうかがうたびに、私の存在が組織に影響を及ぼせていると実感し、もっともっと自分も他人も信じていこうと感じています。
私の発表の後、参加者同士のグループでの話し合いを通して、参加していた同友会の先輩経営者の方々が、不安をどうやってのりこえてきたのかを語ってくださいました。
●開き直る、とにかく動く、結果がどうなるかなんて考えないで動く。
●自分で作った階段を乗り越えてきた、ありがとうの言葉、経営者は常に不安つきまとうもの、本人が気づいていないうちに経営者は不安を乗り越えている。
●起きていないことには不安になることはない、困ったことはあるけど悩んだことはない、やるだけやったんだったら仕方ない、考えるのは悩むから出会って考えないのもどうかと。
●自分が商品なんだから自分を信じること、資金繰りと売り上げの確保が大切、良い運に巡りあう、引き寄せること、やっぱり自信をもって後光がさしているくらいになること。
いろいろとお話が聞けました。最後に会の発表のためにリハーサルをしてくださった座長のコメントにもありましたが、やはり経営者はロマンと算盤なんですよね(渋沢栄一に似てます)。それでも不安はつきまとうけど、とにかく動く事なんだと。好きでやり始めたこの社長業。コンサルタント会社の社長という響きに、2年たってようやく慣れてきました。社長といわれることにも抵抗を感じなくなってきました。社長であるとともに、地域の一経済人でもあるのです。動くことに自信を持っていけるだけの存在になってきたんだと思えました。
これからも違う段階で不安はやってくるはずです。ステージが変われば当然不安の内容も変わります。それでも乗り越えるために欠かせないのは「自分を信じる」。そして、企業理念にもかかわりますが、「人や組織、地域の無限の可能性」を信じる。信じることを使命にしてかかわっていけば、私の場合には一つのサービスになります。お金をいただけるサービスでもあり、人や組織が抱える課題の有効な解決策になります。
座長がおっしゃっていたように、経営者としてもうかる仕組みを形成できるのを目指し、これからも不安を乗り越えていきながら進んでいこうと思います。
貴重な機会をいただいた同友会の先輩方、そして、発表の様子を見守ってくださった知人や、この日のためにZOOMを覚えてくれてZOOMで参加してくれた、富士みらいクリエイションの役員でもある妻にも感謝です。
これからも人や組織、コミュニティの課題に対して、自らを信じて手に入れたものを相手に提供し、組織の人材育成から経営改善、さらには地域経済の成長にも貢献します。
合同会社富士みらいクリエイション代表の増田和芳でした。

この記事へのコメントはありません。