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非常時に必要なリーダー・「おうち先生」ありがとう!

何度も参加しております「サードプレイス・ラボ」。私は、先週電子書籍の作家として参加しました(参考ブログ記事)し、2018年2月より参画していますし、サードプレイス・ラボが出しているメールマガジン(有料版)でも、月1単位でコラムを書いております。

サードプレイス・ラボは、いろんなことを考えることなく、一人のビジネスパーソンとしてフラットになって考えられる場所でとても居心地よく感じます。そして、私も刺激をいつもいただけるような意識の高い人たちが集まっているので、自分の意識をさらに高く持つよう、周りから引っ張られるような印象をもっています。

今回のサードプレイス・ラボ、月1回の学びの場では、おうち先生」の発起人の小泉卓登さんが登場しました。小泉さんとは、昨年実施した「まちの会議のやり方実践ゼミ」で一緒でしたが、このコロナ禍でゼミは休止になって、最近は彼とはほとんど接点がなかったので、久々に小泉さんのプレゼンテーションを拝聴する機会に参加しました。今回はまさにこの「おうち先生」の活動についてでした。

おうち先生の取り組みは、富士では知名度は高いですね。特に小学生の子どもさんや、その子どもさんの保護者の方からすれば、「あ!小泉先生!」と言われるような存在でしょう。今年の4月9日に、富士市内で新型コロナウイルス感染者が出て、富士市内の小中学校が一斉に休校となってから、「おうち先生」の活動は本格的に開始されたということでした。

おうち先生の活動については、風のうわさではいろいろと聴いてはいましたし、私もおうち先生にかかわる小泉さんの投稿にコメントしたこともあります。テレビ(NHK静岡放送など)、新聞(静岡新聞、富士ニュースなど)、ネット記事、ラジオ(SBSラジオ、ラジオエフ)でも話題に上っていましたので、否応なく耳に入ってきました。また、私がフェイスブックでつながっている人たちには、小泉さんと共通の友人も多く、耳をふさいでいても(べつにふさいではいませんが)話としていろいろと聞こえてくるし、フェイスブックの投稿でも出てくるので、知らないわけがない、ということです。ただ、あまり関心を持っていたわけではないのです。子どもがいないのでそもそも利用する機会もなかったですからね。

ただ、これまで彼の活動の詳細を聴くことはしてきませんでした。関心はあったものの、いろいろと彼の周りに様々な人が集まっているのは知っていましたし、こうした中に一緒に入って聴くとなると、まともにアンテナを立てて傾聴することはできないだろうと思っていました。何より、私自身も、自分の会社の活動が最優先で動いているわけで、そこまで深く接点をもつこともなく来たわけです。「小泉さんがんばっているねー」と、私は周囲の方々によく言われてきたんですけど、正直詳しくはわからなくて、答えようもなかったんですよね(笑)。

ということで、今日初めて、小泉さんから「おうち先生」の取り組みを聞かせていただきました。「素晴らしい!」なんて言葉で伝えるのは、小泉さんをある程度知っている私から、そんなことを言うのは当たり前すぎて彼に申し訳ないので、素晴らしい活動であることは前提として、今日気づいたポイントを整理したいと思います。

1.その場の臨場感を大事にする活動なんだねぇ~

よくワークショップ界隈で言われる言葉ですが、臨場感を大切にしていた取り組みが「おうち先生」だったと感じました。その授業の場に参加しているからこそできること、その日だからできること、その先生だからできること、こうしたことを大切にしているなって思いました。子どもたちの様子を見ながら、様々な投げかけをしていく。きっと計画通りに行っていないことも多かったと思います。短い時間の授業、子どもたちにとっては必ずしも毎日参加できるとは限らないなかで、授業の臨場感を大切にしなければ、子どもたちの印象には残らなかったでしょう。特におうち先生の活動は、子どもたちの生活リズムをつくるのを支援していたようですから、臨場感を出しておうち先生の印象をいかに残すかというのは、きっと大事にしていた視点ではないかと思います。勉強をやって覚えてもらうためでなく、記憶に残る場にする、それによってコロナ禍で子どもの不安を払しょくする。そんな一面が垣間見えたのが、おうち先生の「オンライン生授業」(生であるのがポイント)だと感じました。教職である先生ではないから、できることを探してやりきったのではないでしょうか。

2.双方向性を大切にするスタイル

今日、サードプレイス・ラボに参加する前に、あるZOOMのセミナーを受けました。そのセミナーでは「双方向で進めていきます」と講師の方が言っておりましたが、受講者側からしてみると、全く双方向ではなかったです。投票機能を使ってアンケートをとるものの、そもそも何人が参加し、どのような想いでそのアンケートに答えたのかわからず。それでは全く双方向性があるとは言えません。

おうち先生は様々な不安が渦巻くコロナ禍での取り組みで、なおかつオンライン化進むなかで手探りで始めたことだったようです。子どもたちも大人たちも、そして、先生をやっていた大学生たちも、不安がいっぱいだったのではないかと思います。こうした不安を払しょくするためには、その場にまず同じように「居る」ということと、そして、お互いに安心して関われることが必要ではないでしょうか。

おうち先生は、なにか子どもたちに「授業」をやっていたのではなく「授楽」の場ではなかったのかなって思います。要は「楽しさ」「楽しみ」を授けるための場。楽しさや楽しみがあるからまた参加したくなる。そんな場がコロナ禍とオンラインでは欠かせないということを教えてもらった気がしました。

おうち先生の先生たちは、不安を受け止めて、授業ならぬ授楽の場を創造していた。これは、「楽しさ」「楽しみ」がなければできなかったのではないでしょうか。楽しさがあるからまた授業をうけたい。楽しみがあるからまた子どもたちに会いたい。お友達に会って楽しみたい。お互いに「楽」を授け合う「授楽」の場であったように思います。それは、教育ではなく子どもたちも保護者の方々も、そしておうち先生たちも成長できるような、「共育の場」として確立していったからこそ、多くの人たちが参加し、それに着目した人も出てきたのではないかと思います。

3.非常時のリーダーシップを発揮する場面であった

最も強く感じたのは、おうち先生を引っ張った小泉さんのリーダーシップです。

最近は、ティール組織やサーバントリーダーシップなど、どちらかというと、リーダーは前に出てこなくて、後ろから同じ場にいる人たちの背中を押すような立ち位置にいる。これが主流になっていたように感じます。ハラスメントが怖い、自分に経験がない、などの理由で前に出てこないリーダーも多く出てきたのではないでしょうか。

ところが、小泉さんも言ってましたが、コロナ禍はまさに非常時。一つの災害が発生したときではないかということです。そうなると、そのときに求められるリーダーの姿は、周りのメンバーをぐいぐいと引っ張っていくようなものでなければなりません。小杉俊哉さんの「リーダーシップ3.0」を参考にすれば、「リーダーシップ1.0(中央集権型のリーダーシップ)」を発揮する場面です。非常時に物事の決定が遅れれば、二次災害、三次災害につながっていくでしょう。非常時だからこそ、発生した問題を解決するために、不完全な形であっても、組織的なものをすぐに立ち上げて目的に向かって行動を起こす。そうやって、災害時に不安になっている、大きな脅威になっていることを取り除いていく行動が必要になるのではないでしょうか。

おうち先生は、まさに緊急事態宣言発出後、富士市で新型コロナウイルス感染者が出てからすぐに動きだした取り組みです。子どもたちの不安を取り除く。自分たちが今できることを考えて実行する。それが、「おうちにいるからできる」授業のスピーディーな展開につながっていったように思います。小泉卓登という、1人のリーダーがグイグイと引っ張ったからこそ、おうち先生は大きなムーブメントになっていったのかなって思います。

今日、一人の大人として、この取り組みをしっかりと聴いてみてよかったです。私は、今は地域でいろんなコミュニティに属する身であるからこそ、その色を受けて話を聴いてしまうリスクを避けました。一人の大人として、利害の無い状態で聴けばきっと気づきも深いだろうと思ったのです。だからこそ、サードプレイス・ラボを選んで良かったと思っています。

今後、おうち先生の活動は8月23日をもって、いったん終わったそうです。この先はどうなるかですが、おうち先生が今後やろうがやらまいが、非常時に必要なリーダーの姿というのを小泉さんが示されたことは、人々の記憶に残っていくのではないでしょうか。

この取り組みの先いったいどうなるのか?それを想像する必要はないと思っています。コロナ禍のなかでも、きっと想像を超えたことがあるとしたら、そのときにはまた、小泉さんのような強烈なリーダーシップをもった人が出てくるでしょう。協調や対話が主流の社会に、非常時だからこそ新たな一石を投じた取り組みだったのかなって思います。

そして、小泉さんは教育の多様化について言及されていましたが、その多様化に耐えられる人材の育成がまだ追いついていないのが実情だと思います。これからの教育の場では、オンラインに対応するだけでなく、そこに必要となる丁寧なコミュニケーションのスキルを始め、人々を安心、安全に場を作れる力も今後必要になると思います。多様化する社会で生き残る人材は、大きな変化にも対応できる力を持っている人たちですね。

上の画像は、あいさんのグラレコです。可愛らしくて親しみのある、素敵なグラレコです。

そして、パワフルな奈美さんのグラレコです。いつも明るい色基調のグラレコでパワーがある!こちらも素晴らしいですね!

グラレコを拝見すれば、どんなお話だったのか想像できると思いますので、詳しくはグラレコを参考にしてみて下さい。また、今後、このサードプレイス・ラボに参画していた人たちがきっとブログをあげてくださると思いますので、そちらもご参考に!

小泉さん、改めて素晴らしいお話をありがとうございました。結局「素晴らしい」って言っていますけどね(笑)。そして、この場をつくってくださった、小泉さんの大学の先輩の安斎さん、ありがとうございました。彼の高校の先輩の私からも改めて御礼申し上げます。

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