ふだん仕事をしていますと、「え!なんでそんなこと言うの?」「なんでそのようなことを言われるのかわからないよ!」というケースがあるのではないでしょうか。自分の辞書のなかにはない、ということではありませんが、ちょっと信じられないようなことがまかり通る。それに対して怒りを感じたこともいったいどのくらいあったのかわからない。振り返ってみると、こうした経験はけっこうあるんです。
先日、営業力強化に関しての研修を担当いたしました。最近は、営業をやったことがない方や、営業に対して自信がもてない、あるいは営業に抵抗を感じている、伸び悩んでいるといった方の企業研修に登壇することが多いのです。最初、そういう企業に伺うと、大きく2つに考え方がわかれます。
1つは、ワンマン社長、あるいは営業部長のカリスマが強く、「なんでうちの社員は売ってこれないんだ」と怒っているパターンです。こうした企業で上に立っている方というのは、営業で苦労した経験がある場合もない場合もあるのですが、仮にあったとしても、苦労している方の気持ちがわかっていない、あるいはそれをわかろうとしていない、わかっていてもものの言い方がきつくなってしまうというケースです。
もう1つは、営業について教育できる人がいないというパターンです。なんとかしたいけど、どうしていいかわからないという状況です。一人で頑張っていこうとしている営業パーソンはいるものの、なかなか彼らに教えることができないというケースです。カリスマ社長も、精神論で営業の仕事の必要性や役割を解説するのですが、結局はそれ以外のノウハウを教えられないというケースが目立ちます。なかなか「見て盗め、背中を見てついてきなさい」ではいかなくなっています。営業は職人の世界ではありません。多少のセンスはあるかもしれませんが、センスで決まる仕事でもありません。
営業に対して、私はとても嫌なイメージをもっていて、実は嫌いな仕事でした。なにか損な役回り、怒られてばかり・・・お客様からも上司からも怒られてばかりの仕事ではないかと。ただ、その本質は、理不尽がまかり通るような仕事だったのです。自分(自社)が知らず知らずのうちに、相手に理不尽なことをしていれば、それが跳ね返る。理不尽なことを理不尽と言えずに続けていたからこそ、つらいイメージばかりが残ったのです。だから営業を二度とやりたくないと過去には思ったことがありました。
自分たちの商材が素晴らしい、ということを自分たちで感じる、自信をもつだけでなく、それを相手に応じて伝え方を変えてみるだけでも随分とかわってくるもの。相手に応じて伝え方、かかわり方を変える。原理原則のスキルは変えなくても、相手によって課題やニーズなどが全く異なることを抑えていく必要があるのです。そういったことを分かったうえで、自社の商材の魅力を伝えられればOK、なんです。そうすると結果はおのずとついてくるのです。
理不尽がまかり通るような過去の営業になってはいけません。コロナ禍では、こうした理不尽なことをしようとする営業はやがて市場で生きていけなくなると思います。相手が嫌がるようなことを強引に営業するようなことがまかり通るから、営業が嫌になってしまうのです。嫌になってしまったから伸び悩んでしまう、苦しんでしまう・・・こういう人たちをいかに救済するか?それが地域で営業力の強化を進める企業に対してかかわる、人材育成のコンサルタントとしての使命ともいえるように思います。
営業は難しくありませんし、嫌な、理不尽な仕事にしなければいいのです。そのためには、営業に対しての誤解を解いて、自社の魅力ある商材を提供していきましょう。

まずは営業について、理不尽ではない、難しくはない、そんなことから伝えていこうと思っています。一人で抱え込まず、自社内で抱え込まず、自分に優しい営業をしていきましょう、ですね!
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