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留学生への研修で気づかされたこと~丁寧なコミュニケーションの実践~

今年の春は、新入社員の方々への研修をいくつか担当しました。そのなかでの経験も踏まえてまとめたいことがあります。

この春は、アジアの留学生の方々への研修を担当しました。ネパール、ベトナム中国などのアジア圏からの留学生が、新しく日本のビジネス社会で働くというケースが増えていて、彼らも新入社員研修を受講しました。彼らはとても熱心です。目の輝きが爛々としていて、会話の節々にも「がんばる」という言葉が出てきていて、私自身も刺激を受けます。相手に一生懸命に伝えようとする姿勢がにじみでているのです。

彼らがなぜこんなに真面目に取り組めるのか?厳しい環境のなかで仕事をするというのがもちろんあるので、それに対しての気力があるのを感じます。ただ、それ以上に、日本のビジネス社会で働くうえで、一生懸命に取り組もうという意欲がみなぎっています。一言一句聞き漏らさまいとびっしりとノートにメモをとっているのも見えます。おそらく、働く目的が明確であるからでしょう。

今年出会った海外からの研修受講者たちの話をきいてみると、将来は国に戻って事業を興したいと言ってました。ある方は、日本で技術を学び、母国のインフラ整備に貢献したいと言っていました。またある方は、国許の家族に仕送りをすると言っていました。彼らはみな働く目的が明確で、その目的に向かって真剣にやろうという気持ちが前面に出ているのです。

彼らが仕事をするうえで苦労するのは言葉です。日本語の理解もそうですが、ビジネスの場でのコミュニケーション。報告・連絡・相談のタイミング、間合い、言葉の遣い方などです。身につけている技術や知識はすぐれたものがあっても、それを十分に活かすために、チームで仕事をするためのスキルが十分に発揮しきれていないということが見られます。

これは、彼らに課題があるだけではなく、彼らを受け入れる職場でどれだけ彼らとコミュニケーションをとっているかが問われているように思います。特別扱いする必要はありませんが、そうはいっても、言葉の壁はまったくないわけではありません。丁寧なコミュニケーションなどによって熱心な指導育成をおこなわなければなかなか理解が追いつかないということは、国籍関係なく社会に出たばかりの新人に対していえることです。

未来に輝く才能、あるいは、将来ある国に大きな影響力を及ぼす可能性のある才能を活かすためにも、より丁寧なコミュニケーションによって指導育成をしていく。これが各職場に求められているように思います。新型コロナウイルスの影響で、オンラインによって丁寧なコミュニケーションが各職場の指導役には求められています。こうした「丁寧なコミュニケーション」が、今年は特に様々な現場で求められています。

そして、我々講師にも丁寧なコミュニケーションが例年以上に求められます。私は海外からの新入社員への指導を経験したことで、その大切さを実感しました。オンラインでの研修。外国人留学生への研修。両方が同時というのはなかったものの、いずれもコミュニケーションをより丁寧におこなうことで相手の行動を促進するという観点で研修をする。その経験ができたことはとても価値があります。

身振り手振りを大きくする。言葉を何度も繰り返す、ゆっくりと話す、相手がイメージできるように言い換える、にこやかに話す、一部は英語をつかう。言語・非言語問わず丁寧なコミュニケーションがキーポイントになります。その大切さを改めて痛感しました。こうした感覚を大切にして、いかなる研修でも丁寧なコミュニケーションを行う。コミュニケーション分野の研修講師として、人材育成コンサルタントとして、これからもその大切さを訴求していきます。

大きな空。この空のような人にある可能性をさらに拡げるために。

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