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時流と関係性を考慮して

昨日は、久々にファシリテーションに関してがっつりと学びました。同じ学びの時間を共有した方があちこちでいらっしゃったみたいで、750名近い方がYouTubeライブで受講されたそうです。オンラインでのセミナーは、内容によりますが、いっぺんに多くの人たちに聴いてもらうというのが大きな魅力です。

オンラインで手軽にコミュニケーションがとれる、というよりも、とらざるをえなりました。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、コミュニケーションの方法が、同じ場所で顔を突き合わせてのものではなくなっているので、オンラインでのコミュニケーションを主体にした場があちこちでつくられています。昨日受講したような様々なセミナーがオンラインでやられるようになっています。

様々な取り組みがオンラインで展開されているのをみて思うのは、最近あまりにも多いなぁ~ということです。これでもか、というくらいに増えましたよね。SNS上でも広告が目立っています。たしかにそれだけ「セミナー」と呼ばれるものが多く、特に人口の多い首都圏では乱立状態でした。だが、それが今ではなんでもかんでもオンラインで開催します、という状況になっています。しかも「オンラインセミナーの○○の方法」というように、オンラインを一つのテーマにするものまで乱立していて、ちょっと違和感を覚えます。

まあ、3密を防ぐという趣旨や、未だに増える首都圏の新規感染者数からしたら、オンライン主体で様々なセミナーが実施されるようになるのも当然です。そして、みんな同じように「ZOOM」を使っている(ほとんどZOOMですよね)。なんだかこれも不思議な現象です。全国民に共通の言語やインフラになっているわけでもないのに、同じことをやりたがる人がほんとうに多いなぁという印象です。

あまりにも短絡的な感じがします。こうして短絡的になにかをやったところで、一体どんな目的があるのだろうかと、私は思います。オンラインのセミナーをどんどんやってしまうこと自体、確かにすごいことではありますが。果たして、このセミナーによって、一体に長くお付き合いをして下さる方がどれだけ増えるというのでしょうか?

私がかつて自分の職場でやってきたことですが、とにかく深いかかわりを持てる人を一定程度周りに増やしていくと、人間関係が豊かなものに感じます。同じ組織内であれば、自分のことを深いところまで受け止めて、想いをさらけ出せる人がいるかどうか。また、組織外部の顧客でいえば、繰り返し発注をしてくれるリピーターとしてのお付き合いをしてくれる人。発注はしないというときには、まず最初になにか相談を持ちかけてくれる人。こうした人たちは、必然に深いお付き合いになるので様々な分野での課題を共有し合える。課題だけなく、お互いの人となりを共有し合うことにもなるでしょう。その人が、「発注」「注文」などの行動を起こしてくれれば、一つの成果になるのです。

こうした人とは、どのようなコミュニケーションツールを用いても恐れることはありません。本当の意味で分かり合えている関係を保っている人同士であれば、直接同じ空間で会えなくても大丈夫でしょう。もちろん、オンラインでも大丈夫ではないでしょうか。むしろ、会うことを強制するのは果たして相手にとって必ずしも大切なことなのでしょうか。

私は時々電話でセールスを受けますが、新型コロナウイルス感染症の拡大がこれほど問題になっているなかで、静岡以外の土地から、「面談をするために訪問したい」という方がいるので驚きます。会うことではなく、まずは知ってもらうための目的であれば、今の情勢を考えたときには、必ずしも即座に面談したいとはならないはずです。特に今は、様々な状況を考慮しながら行動しなければ、余計に相手からの信頼を失ってしまうでしょう。

お互いに目的を共有出来ているか。手段を強制するのではなく、「○○という目的があります」「○○というゴールがあります」。かかわる人たちが目的を共有してふだんから仕事をしていれば、相手に不快感を与え、無理を強いることはしないでしょう。会うことを強制する話にも同じようなことはいえませんか?目的をお互いに達成できるものであるとの考えが一致すれば、手段はどんなものでもいいのです。仮にオンラインセミナーをやるとしても、目的さえ共有されていてそれに共感をえられれば参画することになりますよね。

今こそこの言葉が大切に感じます。千田琢哉さんの著書「自己肯定感が上がる100の言葉」に書かれている言葉を紹介します。

人間関係で、親しみと価値は比例しないことを覚えておくといい。会わないほうが、お互いの関係を大切なものに保つことができるケースも多いのだ。

かつて、私が研修の法人営業をやっていたときには、既存顧客からの発注をいかに増やすかに注力していました。実際に、自身の担当顧客の売上上位10社が、全社の売上上位企業に入っていることがたびたびありました。むやみやたらと新規顧客を増やすよりも、既存顧客を大切にして営業活動を行い、リピートの仕事や追加で新規の仕事を、既存顧客からいただくことで営業目標を達成していました。

これは単に親しみやすい関係だったから営業に行って仕事をいただいていたのではありません。相手になにか価値を感じてもらえるような行動をしていたからでしょう。忙しいときにむやみに会いにいかなくても、必ず発注してくれる顧客が多かったのです。それだけ、一つの仕事に深みをもたせている、相手に価値を感じてもらえるような行動をしていたからこそ、継続してお付き合いできる顧客を確保できたのだと思います。今でも経営者や営業管理者の中に、顧客と対面で会うことを強く求める方がいるようですが、あまりにも顧客に配慮がないと思うし、部下を守ろうとしない姿勢がはっきり出ています。先日、私宛に営業の電話をかけてきた方も、東京からやってくると言ったのではっきりとお断りました。今の社会情勢がわかっていれば、そのような行動に出る必要が今はリスクが大きいことがわかっているはずで、もっと別のやり方を考えるはずです。

今まさに、状況を踏まえたうえでの、人の関係構築のあり方が問われています。組織外の顧客だけでなく社内の人間関係など、様々な場面での関係性を見直したうえで、どのようにコミュニケーションをとるのがベストなのか考えてみて下さい。相手に会う価値があると感じられる関係があれば、対面で同じ場所で顔を突き合わせなくても、電話でもオンラインでもコミュニケーションがとれます。状況に応じて行動を変えていくことになるはずです。

今はなにが大切か。コミュニケーションに限った話ではありませんが、そのことを肝に銘じていきましょう。長期的な関係を築きたい人に巡りあいたければ、今は我慢のしどきかもしれません。準備をする。仕入れをする。あるいはほかに、大勢の人たちにふれるものを残す。様々なコミュニケーションの手段はありますので駆使していきましょう!

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