職場において、やはり言葉の力は大きいですね。言葉を受け取る相手にとって、プラスの影響を与える言葉だけではなくマイナスの影響を与える言葉も同様。言葉はそれを受け取る相手にいろいろな影響を及ぼします。マイナスの影響はとても大きく、相手を傷つけるだけでなく、精神的に追い詰める、休職に追い込む、退職に追い込む、ひどい場合には相手を自殺に追い込むなど、様々な影響を及ぼします。パワハラが問題になるのも、言葉の力が作用することによるということがありますね。
厚生労働省が示しているパワハラの6類型というものがあります(こちらをご参考にしてください)。この6類型がパワハラの典型的な例なのですが、特に「精神的な攻撃」については、最近のパワハラではよく見られるものです。しかも表出しにくいものなので、パワハラなのかどうかは、その行為を受ける側によります。もちろん、たった一つの行動だけですべてがパワハラだと判断されるものではありません。
一方で、相手にプラスの影響を与えるものも当然あります。相手を笑顔にする、活気があふれるような状況をつくる。それがさらに発展して人材の定着率を高めるなど、いい影響がどんどん広がっていくと、職場で働くことにとてもモチベーションが高まります。たとえば、接客の仕事をしている方にとっては、従業員の満足度だけでなく顧客の満足度も高まっていくでしょう。
相手を褒める、認める、そして感謝の気持ちをもって言葉を伝える。こうした気持ちのこもったものが相手に届けば、その言葉で溢れる場所全体が温かい雰囲気に変わっていくでしょう。日本褒め言葉カード協会の藤咲徳朗さんが書かれている「たった一言で変わる!ほめ言葉マーケティング」の中でも、褒め言葉のもたらす良い影響が綴られています。相手を認めて、相手を知って、様々な褒め言葉をかけてあげること。それには、単に言葉だけでなく、相手に対しての「愛」を込めて言葉を伝えることが必要になります。ラポールを形成するといいますが、相手との信頼関係を構築していくときに、相手を理解しながら褒める言葉を投げかけていくのが重要になるのです。
職場によっては、褒める言葉を安易にかけることが相手のためにならない、という声をききます。上の立場の方からしたら、安易に褒めることはないと。ただ、それは言葉を受け取る側が決めることです。言葉を受け取る側がどう感じるか、なのです。よく部下から「全然うちの上司は褒めてくれない」ようなことを言われるケースもありますが、こういう声が出てくるというのは、上司にあたる方々が、職場の空気を乱している可能性があるのかもしれません。
働きがい、働くことへの喜びなどを実感できるのは、職場の空気が影響します。その空気は、言葉の力によって支配されてしまうことがあります。褒め言葉を心を込めずに安易に言うのは決してのぞましい事ではありません。相手を見ながら、相手への敬意を払いながら、相手を認めながら言葉をかけることが、職場の空気を良くします。
相手のやる気を削ぐような言葉は、パワハラが拡がることにもつながります。相手の気持ちをしっかりと受け止めて、認め合う文化をつくっていきましょう。そこに褒め言葉がうまく作用すると良いですね。


今日は、褒め言葉でコミュニケーションを楽しむワークショップをやりました。上の段の画像は自分で選んだ言葉のトランプ。下の段の画像は、他の参加者の方々から選ばれた言葉のトランプです。こうした言葉を大切にして職場の空気をつくっていくと、チームワークがよくなり、人材の定着にもつながるのではないでしょうか。幸せな職場づくりに向かっていくための一つの方法として、うまく使ってもらえたらと思います。
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