幸せな職場だと実感できるまでは、決していいことばかりではありません。特に職場を変えようと思って動き始めたばかりの時期というのは、いろいろなことが不安定ですし、日々の浮き沈みもあります。また、予期せぬところから様々な問題が起こり、組織の存在自体が危うくなることだってあるでしょう。
そうやっていくなかで、どこかで挫折をした経験はあると思います。働くことに幸せや面白さ、やりがいなどの気持ちを持てるようになるために、そこに向かって進んでいくまでに、心が折れかけた経験をしたという方も多くいるのではないでしょうか。
職場を良くしていく、人材の成長や定着によって職場での働く幸せが全体に拡がるまでには紆余曲折あるでしょう。ただ、そのなかで非常にきつかったことや挫折として実感したことが一つの転換点になったことは、あとになって気づかされるのではないでしょうか。千田琢哉氏の「無敵のメンタル」のなかでは、このように書かれています。
過去の挫折を振り返ると、それらはすべてあなたの人生の飛躍のきっかけだった、ということに気づかされないだろうか。直接的なきっかけでないにしても、間接的なきっかけになっていることなら多いはずだ。
挫折したときの経験を後になって振り返ると正直心が苦しくなります。一方で、その経験を後になって振り返り、客観的に見つめなおしてみると、そのときには見えなかったものがたくさんみえてきます。そのなかには、嫌なことばかりではなくて、「あ、あのときの挫折は今のここにつながっているのだ!」と気づく瞬間は多いのではないでしょうか。
私は過去に、ある職場で自律神経失調症を発症し休職しました。その症状は二度目の発症でした。その職場で働く前に一度発症したこともあったので、完全に回復しきっていなかったのかもしれません。その症状が出て休む直前に働いていた時期というのは、今でも振り返りと情けないと思うくらいの出来事がたくさん思いだされます。自己を否定して消えてしまいたくなってしまうような。ただ、こうしてそのときの経験があるからこそ、「働くことへの幸せ」を追求していくようなサポートを、多くの職場に対して行っていきたいという気持ちが湧き上がってくるのだと、今は思うようになりました。
あの休職の経験は、私の人生においては大きな挫折を味わった出来事です。コミュニケーションをとるのが億劫にはなるし、逃げだしたくなるし、生き恥晒してでもいいから安穏と生き続けたいと思った・・・そんな経験をし、今はこうして挫折を乗り越えられたのは、幸せを実感できるような出会いに巡りあい、新しい挑戦を続けて成果を出せたことが要因であると思います。自分の中にやってみたいという想いに対して素直になって進んでいけば、そこに向かう過程で自分で幸せや喜びを実感できるようなものに巡りあうのではないでしょうか。
私は、「人前でいろんなことを伝えたい、講師としての仕事にチャレンジしたい」と、休職後に転職したあとの職場では言い続けました。そして、入社して約2か月でそのチャンスをつかみ、無事にやりきりました。やりきったあとの、新宿の空の景色は今も思い出されますね。安堵感と喜びを味わえたというか。
挫折とは、人生が次のステージに向かう直前に、必ず起こるようになっているのだ。
働くことへの幸せを実感し、そこで自分なりのやりがいをもっている社員は、組織の想いに共感して進んでいくと、その組織の成長にもきっと寄与してくれるはずです。社員がチャレンジしたいことについては、どんどんその想いをくみとって活躍してもらうようにしましょう。仮に失敗しても、うまくいかなくても、そのことを責めるのではなく、じっくりとそのときのことを振り返って様々な経験で得た気持ちを整理してもらう。それによって、社員はまたステージアップします。そうやって職場がどんどんステージアップしていくと、幸せな職場への道筋が見えてくるのではないでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の影響で、どうも世の中が暗くなっているのを感じますが、いずれは乗り越えられる。職場がなにか沈みがちになり、沈んでいる状態から浮き上がってくることができると、いずれはあの時の経験は次のステージへ向かう良い経験であったと思えるでしょう。沈んだ経験や挫折は幸せな職場づくりへと飛躍して進んでいくためのきっかけになります。大丈夫です。乗り越えていきましょう!
職場のリーダーにとっては、様々な経験を振り返ってみると、またステージアップへの道筋を描けるように思います。その機会を是非もてるようにするといいでしょう。こちらの動画でも、それに関係する「キャリアデザイン」について触れているので、良かったらご覧ください。
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