
今朝の富士山のてっぺんには雪がうっすらと積もっていました。今シーズンの雪の量としては最も多くなっています。徐々に寒い季節に向かっていくのかなという一つの目印です。
先日の金曜日、そして昨日の土曜日。オンラインでの研修やワークショップに関する時間を過ごしました。オンラインでの研修やワークショップは、これからも続いていくでしょう。私にとっては、このオンラインというのはとても有難いものです。
ニューノーマルと呼ばれるものの一つに、働き方改革の一環でテレワークの普及があげられます。おそらく研修やセミナーも、オンラインスタイルでの取り組みは続いていきますね。テレラーニング?なのかな?
オンラインにおけるそれぞれのシステムの基本操作に慣れるのは、研修やセミナーを行う以前の問題です。今はこのシステムの使い方についてはマニュアルのようなものが出回っています。それを見て習得すればいいですね。仲間内で一緒に昨日の理解を深める場もありますね。
こうした機能の理解を越えて、今は、オンラインの研修やワークショップに必要なのは、その場にいる人たち同志が、お互いにコミュニケーションをとるのをいかに楽しめるかが重要だと思っています。
私は、職場、研修の場などの様々な「場」で、嫌な想いや不快な想い、そして、人を人として扱わないような言葉のかけ方を平気で行うのを目にしてきました。対面の場のなかには、物がとんできて、一歩間違えればケガをするくらいの事態にも直面したことがあります。オンラインではこうした身体的なケガをするリスクは減るとは思いますが、一方で、精神的に傷を負ってしまうリスクは大きいですね。
たとえば、ZOOMを使う場合で考えてみましょう。ZOOMには「ギャラリービュー」と呼ばれる機能があります。このギャラリービューでやりとりをしていると、繋がっている全員の表情が見えます。表情の細かいところまで見えてしまうのです。ディスプレイの画面が大きければ、さらにその表情は鮮明になります。そうなると、オンライン上での叱責や不快な想いをさせるような言動は、受けた方が自分一人だけで叱責されたわけではなく、他の人たちにもみられているのでとても辛くなるでしょう。他の人の目があるなかで何か屈辱を味わうようなことを感じてしまうのは、すごくトラウマになりやすいのです。
私は、かつて自律神経失調症を患った経験があります。いろんなことを感情で受け止めやすい性格であると認識しています。その自分を今は信じられるようになり、そして周りの方々へ信じる気持ちも強くなっているので、そんなに今は怖さを感じません。しかし、ギャラリービューだけでなく、スピーカービューを使っても、怖い表情の人にはどうしても萎縮しがちです。同じオンラインの場では「緊張感」が自然と出てきてしまっているので、とても怖い印象を受けます。おそらく、周りを見る余裕がなく自分だけに意識が向いているので、緊張感が強くなっていて、とても硬い表情になっているのです。
表情から緊張している様子がわかるので、オンラインの場全体が怖いのです。画面を見るだけで、なんだか憂鬱になってしまうのです。一人でも表情を緩める人が出てくればその場は少し明るくなります。ただ、その中でもやはり硬い表情をしている人は損をすると私は思います。場全体の明るさを自分から消そうとしてしまっているのです。
オンラインは、周りに人がいないのでパソコンの画面に集中しがちになります。ただ、その集中しようという気持ちが、緊張感のある表情を創り上げていくようにも思えます。
ですので、私が主宰する研修やワークショップでは、できるだけ参加している人に「笑ってもらう」「しゃべってもらう」ようにしています。また、仮に嫌なことがあっても、言葉にしてそれを露骨に言うのもやめています。どちらも、心理学の領域でよく言われるメラビアンの法則にあるように、見た目や表情から人はその相手の印象を判断する割合が高いと言われています。ですので、オンラインで何かをやるときには、その場に映るギャラリービューが、笑顔であふれるようにまずすることを心がけています。
最近は、難しく考えることを止めました。専門家として、理論や細かいところを追究する姿勢は必要です。しかし、今はオンラインに慣れてきている人が増えたとはいえ、やはり画面いっぱいに広がる、参加している人たちの怖い表情は、オンラインへの抵抗感やコミュニケーションをとることへの抵抗感、嫌悪感を高める結果になりかねません。ですので、明るく、笑顔で参加できるような場づくりに努めています。なにか笑ってもらうような取り組みをいつも考えています。
不安なときにみんなで不安な表情をしていたらどうなるか?緊張しているからといってみんな揃って緊張していたらどうなるか?そこに一緒にいることがとても息苦しくなります。そんな経験をしてしまうと、余計に人と接点を持つのが苦しくなるように私は思うのです。ハラスメントとはまた違う、オンラインへの抵抗感や嫌悪感が生まれてしまうのかもしれません。
怖い顔でオンラインの画面を見るのをできるだけ避けるためにはどうすればいいのでしょうか?こうやってオンラインでの場づくりを考えています。
オンラインについては、私は可能性を感じています。地方でも都会でも、海外でも、いろんなところから繋がれるのですから、やはり有難いし嬉しいですよね。電話で話すよりも顔が見えるわけです。対面でのコミュニケーションも嬉しいものですが、オンラインでもいろんな人たちが繋がれるという利点はあります。
私の実家の両親と、東京で仕事をしている私の弟とのやりとりに関しても、この夏にはZOOMを使ってやりとりしました。いわゆるオンライン帰省です。これによって、両親はとても嬉しそうに弟と話をしてくれました。顔を見て話せれば、声が聴ければ嬉しいに決まっています。こうした様子を見ても、せっかくオンラインでつながっている場で、怖い顔をして、堅苦しい表情を前面に出しているのは本当にもったいないように思います。
どうしても緊張するというのならば、その緊張を自分でもなくすように何か取り組むことも必要です。緊張が緊張を呼び寄せていることもわかっておくといいですね。出来るだけ自分の印象を明るいものにするとか、面白そうな仕掛けを自分で使ってみて笑いをとるとか、ZOOMでもそういう機能があるのですから上手く使えばいいのです。怖い顔をして説教をするのが論外ですが、不安な気持ちを吐露してみんなで怖がるのは共感を呼べるとは思います。ただ、不安な気持ちをみんなで共感してその場が凍りついてしまって居心地が悪くなったら、そんな場にいるのは嫌だなって個人的に思います。
私は、オンラインでせっかくつながるのであれば、仮に目の前に人がいなくても、笑顔で楽しむのをおすすめします。明るい場や笑顔がいろんなものを引き寄せてくれますよ!
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