仕事を面白くする。昨日も「仕事の面白さ」をとりあげました。では、「面白い」というイメージはどのようなものなのでしょうか?
ゲラゲラ笑い転げるような面白さでしょうか?マンガを読んでいるときに思わず大声で笑ってしまうような、M-1グランプリのような漫才の番組を見て思わず笑い転げてしまうような、ある意味、会社では「不真面目だぞそれ」とも取れるような、そういうものではありません。面白いという感覚は様々にあります。幸せな職場をつくっていきたいと思う私にとっては、面白いというのは決してふざけているのではなく、何か心の内側から湧き上がるような気持ち、「おー!これは面白いぞ!」というような「面白い」なのです。
仕事なんて面白いもんじゃないだろ!笑ってばかりいないで真剣にやれよ!
思わずこんなこと言いたくなる、という方もいるかもしれません。はたしてそうなのでしょうか?そもそも仕事いうのは真剣にやるものだから面白いと感じるものではないか。いやいや、必ずしもそれだけではないですよ。面白いと思えるから真剣になって続けられるのが仕事なのです。面白い、が後に来るか先に来るか、の違いがあるくらいです。生活のため、とはいうけど、なにか仕事のどこかに面白いと感じるものがあったから、仕事をしているのではないでしょうか。改めて振り返ってみると良いでしょう。
「仕事に面白さなんてない、辛い」というだけでは、やがて心が疲労していきます。かつて、私が営業部門で管理職をやっていたときには、仕事をしていても辛いだけという気持ちになっていた時間がありました。その辛さがピークに達した時に、自律神経を乱し、あらゆる気力が失われました。面白いという感情がまったくなくなってしまいました。きっとどこかに面白さはあったのですが、それに気づかずに自分の心の辛さばかりに向き合ってしまい、しばらく仕事を休むことになってしまったのです。
よく自己実現の欲求と呼ばれるものがあります。マズローの欲求5段階でも、最上位にあるものが自己実現の欲求であって、安全の欲求や所属の欲求などの低い次元にある欲求が満たされなければ、高次にある自己実現の欲求も満たされないというものです。たしかに、最低限の欲求を満たすことは必要です。先日の記事では、地位財と非地位財のことやお金のことに触れました。生活の安全が脅かされるとなると、その安全を満たさなければ、という気持ちになるので、まずは最低限の生命が保証されるような状況が必要にはなります。
ただ、自己実現の欲求は、もっとも高次なものであるから、余裕のない人には考えもつかないものなのか?満たされることなんてありえないものなのか?決してそんなことはないはずです。
自己実現の内容については他者と比較する必要のないものなのです。自己実現について、「幸せのメカニズム」の著書の中では、「『自己』の実現ですから、時代に押し付けられた何かではない。自分なりの何か表現です」とあります。おかしなものでも、変わったものでも、なんでもいいのです。やっている本人が楽しいと思って、面白いと思ってやっていれば、それがまさしく自己表現なのです。その状態があるかどうかが、幸せの因子の中の「やってみよう」にあたるもので、他人と比較してどうこういうものではなく、本当にやりたかったことをやってみるようなことなのです。世界でたった一人で始めてもいいもので、人数の問題でもお金の問題でもありません。満たされたときにたった一人で、誰にも気づかれないものであっても、それでいいのです。
「自分は何が面白くて、何を求めているのかを、明確にわかっている人にこそ、幸せな傾向がある」慶應義塾大学の前野隆司教授はこのように、「幸せのメカニズム」の中で書いています。
私は、こうしてまずブログを書いている時間がとても面白いです。いろんなことを表現できる自分の行動を面白いと感じるのです。この記事は、現存するブログ記事だけで、アメーバのブログも含めて995記事めでした。その前からNECのリブログ、楽天ブログなど、2004年9月28日から多くのブログサイトで記事を書き続けてきました。既になくなっているブログ記事もあるので、それらを含めると、おそらくは1500を超える記事を書いてきています。書き始めるとやっぱり楽しいのです。誰かに読んでもらうことはもちろん考えますが、あまりそれに過剰になるとブレーキがかかりますので、気の向いた日に好きなように書いてきました(笑)。
ちなみに、上の995記事とは別に、262の記事(NECウェブリブログで書いたもの)が、小冊子になって今も残っているんです。まるで日記のような内容ばかりでびっくりします。これは自宅に単行本形式で保存してあります。

ブログだけではありません。先日でいえば、富士商工会議所青年部の政策提言委員会のメンバーの一人として、大勢の市民の方々の前で、身振り手振りを交えながら勢いよくプレゼンテーションできたことはとても面白かったです(青年部の会長曰く、もっと想いを込めても良かったと言われましたけど (笑))。
こうした面白い場面に共通しているのは「表現」です。単に表現しっぱなしではなく、私の場合、誰かの喜びや幸せのためにやっている表現であれば、面白さの度合いは格段に高まります。
職場で自分だけでなくそこにいる参加者も含めて、表現するという要素を取り入れた研修やコンサルティングをやっていくと、面白さを実感できます。大声でなくてもいいのです。お互いに自分の心にある言葉を吐き出し、お互いを理解し合えば、面白いと感じられるものが職場に生じるようにも思います。そういったことを集まって行えるような場をつくる意味での「表現」です。
皆さんは自分の仕事に面白さがありますか?また、会社や職場に面白いことをやっているような社員がいますか?面白いという気持ちがあるというのは、決してゲラゲラ大声で笑うだけのものではなく、人材の成長や定着、そして成果につながっていくような仕事の面白さを実感しているというものです。仕事で面白さを感じ、そこからやがて仕事をする場での存在価値を感じられる社員が増えてくるからこそ、社員は外から見ても楽しく活き活きと働くようになり、職場がどんどん明るくなっていくのです。仕事の場で感じるような面白さをお互いに理解しあって、協力して仕事をしあうようになれば、お互いに感謝の言葉も飛び交うようになるでしょう。さらには、お互いの成長や成果などについて、感謝だけでなく、承認しあうようになるでしょう。こうした承認をしあうことが、さらに仕事への面白さへの実感を高めることになります。そして、職場全体が明るくなるだけでなく、人材の定着や成長につながり、こうした人材が仕事で自分の能力を発揮するようになれば、企業全体の業績の向上にもつながるのではないでしょうか。
ぜひ仕事の面白さを探してみてください。仕事の面白さを探すときには、もちろん一人でやってみてもいいのですが、さらに良いのは、同じ職場にいる仲間と話をしながら探していけば、ふだんの仕事や生活では気づかないものに気づくこともあると思います。職場の仲間と一緒になって対話しながら、仕事の面白さを探していくと、自分一人では気づかなかった視点を獲得できるでしょう。その視点を大事にしていくと職場全体の空気がより良いものとなって、幸せを実感できる職場に変化していくように思います。
幸せな職場クリエイターとして、仕事に面白さを感じること、そして、その面白さを実感できるような機会をつくること、お薦めです!

昨日は2月23日、富士山の日でした。こうした美しい富士山が昨日は終日見ることができました。とても貴重な、幸せを実感できる日でした。
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