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ある継続研修の仕事より~可視化がポイント~

東京で交通関連機器メーカーの継続研修の仕事を担当してきました。8カ月に渡る研修が一段落。今日は最終のプレゼンテーションでした。

営業や事務にかかわる仕事は、人の頭の中に眠っている暗黙知によって見えないままになったままのことが多く、これが様々なトラブルの要因になります。また、業務が停滞するときも、たいていはこの「見えないまま」になっている場合が多いです。働き方改革やコロナウイルスの流行でなかなか業務が見えないなかで、どうやって一つ一つの仕事を仕上げていくか。よく考えて手を打つ必要がありますね。

また、そんな状況であっても人材育成を怠ってしまうと、いつまでも後継者人材が育たずに果はあがらない。これでは生産性が高まらないでしょう。

私は、この継続研修においては徹底して業務の可視化を推進しました。行動、言動、様々な観点からまず業務の洗い出しを行ったうえで、その中でチームとして用いて、展開できるものを抽出し、整理していくためのサポートをしました。これが組織内の知恵になりうるものです。この知恵を職場内教育(OJT)の素材として扱うと有効ではないでしょうか。

OJTのやり方がわからないときによく見られるのは、まず何を教える必要があるのかが可視化されていません。ですので、まず業務の内容を可視化し、そのうえで必要なものを集約する。そして、何をどのように新人や後輩に伝えるのかを体系化し、一つの流れを作成します。体系化にあたっては、マニュアル化してもいいですし、新人研修テキストのようなものにしてもいいのです。いろんなきっかけがあって取り組んでいけば、業務の可視化と整理のきっかけになるのです。

そして、私がこの業務の可視化を行うときによく用いるのは付箋です。別途フレームワークに落とし込む前に、この7.5×7.5の付箋が大活躍します。いろんな課題やテーマ、設問に合わせて色を変えて付箋を使います。付箋をつかって頭の中に眠っているものを発散していきます。その発散したものを今度は収束していく。収束して何か新しく決められるものがあれば、それが一つの方向性を決めるものとなります。

付箋はある意味、私の研修やコンサルティングでは生命線です。画像とは異なる大きさの付箋を使う場合もありますし、また、紙ではなく電子付箋みたいなものも用いることができれば、コストの削減にもなるかもしれませんね。

いずれにしても、今回の継続研修では、業務の可視化や営業商談場面での言動の可視化がされました。独自のトーク、行動、営業として必要な考え方など、その受講者の哲学が反映されているものも出てきました。息の長い商談、金額の大きい商談では、業務の可視化をやっただけではすぐに結果は出ません。しかし、見込みの案件の進捗が進んだり、今まで引き出せなかった情報をもとにして仕様に盛り込む活動ができるようになったりと、途中経過は良いものが出てきています。また、入札案件でも、顧客の要望をしっかりとつかんでうまくスペックインできるような活動も可視化されています。こうした活動一つ一つの可視化によって結果が出てきますね。

このように、今まで暗黙の情報になっていたものを明らかにして、業務の可視化をする。働き方改革や人材育成には欠かせないですね。

この可視化と対話を組み合わせて、強い組織をつくるステップを踏んでいく。この流れが今後営業で競合に勝ち抜けるヒントだといえますね。

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