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コミュニティデザインをどうとらえるか?~まちの会議のやり方を学ぶ実践ゼミ第2期開講~

今日の富士山、裾野の方まで雪が残りましたね。いい景色です。

冬の富士山がとても映える青空。澄みきった空に新たな気持ちで迎えた「まちの会議のやり方を学ぶ実践ゼミ」。今回は第2期です。

■コミュニティデザインとは?

第2期でテーマになるのはコミュニティデザイン。コミュニティという言葉とデザインという言葉が合わさっています。コミュニティに関しては、地域社会・共同体という意味よりは、人と人とのつながりが生じる場所。「人」に焦点をあてています。時代の流れとともに、少子高齢化、地域格差などによって、人に焦点を当てるような社会に変化してきたからこそ、コミュニティデザインという考え方が出始めてきているように思います。ただ、人が集まっているコミュニティはあちこちに点在していますし、自分自身が居住している地域がコミュニティであることにかわりはありません。ただ、それだけに限定するものではないのです。同じ利害や目的をもった人どうしが集まる場があちこちに存在し、サードプレイスの考え方が出てきているのもその表れ。こうした場をどうデザインするか。最近多くの現場で行われているワークショップの場などでも、コミュニティデザインの必要性が求められているように思います。

デザインについては、設計や建築のイメージが強いのですが、人のつながりの場を設計するようなことが必要になっています。デザイン思考という考え方が出てきているのもその表れです。人と人とのコミュニケーションをとるのが昔に比べて様々な要因で難しくなっている社会。また、ちょっと見方を変えると、人のもつ多様性が受けいれられるようになってきた社会。そんな社会に欠かせないデザインが、コミュニティデザインなのかもしれません。どのようにして人どうしのつながりを設計するか。閉鎖的な社会ではなく様々な事柄に対して開放的な社会になり、また、地方創生を実践していく過程で、地方での生き残りを目指していくためには、いつまでも閉鎖的なままではいけないでしょう。あまりにも開放的すぎるのも、コミュニティの秩序が保てなくなる危険もあって、すべてがOKというわけにはいかないと思いますが、ある程度の寛容さが求められるでしょう。

なにか新しい事をやろうとした人が現れたときに、なんとなく気に入らないからといってその人のことを頭ごなしに否定するのではなく、その人が新しい事をやろうとする目的はなにか、その人は何をしたいのかを丁寧にかかわって確認していく。こうした活動が、自身の属するコミュニティに新しい風をもたらすように思います。

どのコミュニティにかかわるか?

そして、コミュニティデザインで欠かせないのはコミュニケーションです。他の人の話を傾聴し質問して、相手を理解しようかかわり方は、コミュニティデザインを進めていくうえでは欠かせないでしょう。相手の考え方や発言などすべてを鵜呑みにすることはなくても、相手の考え方や知識を傾聴しそれを自分事に置き換えてみる。こうしてコミュニケーション丁寧に積み重ねていくことが、新しく自分の属するコミュニティに風をもたらすことになるでしょう。

今回の講座では、こうした人とのつながりで形成されているコミュニティデザインの話を中心に展開します。ただそれだけでなく、マクロな視点で考えて、地域コミュニティのような大きなコミュニティに目を向けてみるのも時には必要です。自分自身が属するコミュニティは決して唯一絶対の1か所だけでないからこそ、視点の切り替えも時には必要です。地域、仕事、サードプレイス・・・などなど、様々なコミュニティに属する人たちが集まり、そのコミュニティの集合体を束ねているのが、たとえば、地方の都市ですね。学区がいくつかあって、それをとりまとめているのが市。そんな見方もありますね。

様々な目線でコミュニティを捉えると、コミュニティが複雑な構造になって集まっていることがわかります。こうしてコミュニティの捉え方をしてみるといいかもしれません。一番は、自分が大事にしたいコミュニティの事をまずは考えてみてほしいです。

コミュニティデザインに欠かせないアウトカム

そして、今回はアウトカムという言葉で、コミュニティデザインの中核にある考え方が何かを考えていただきました。そのコミュニティに参加している人がどんな状態になるのを追求していくのか。講義やワークショップ等、コミュニケーションを必要とする手段によってそのコミュニティの人たちにかかわるときにどんな目的でかかわるか。要は会議のゴールをどのように設定するか、というような考え方です。

どんな場面であれ、かかわる活動にはなにか目的がある。それをアウトカムという言葉で表現しました。アウトカム自体には「結果、成果」という意味がある文脈では用いられています。今回のコミュニティデザインにおいてアウトカムというのは、「ゴール」「目的」の意味でおさえていただきました。

市民の方々に必要と思われる学びをこれからも届けていきたいという想いは同じです。それが難解に感じる者であっても、それをわかりやすく伝えるかが、私のような民間の専門家に求められています。市民の方々が必要だと思ってくださるような学びを提供していくことは決して容易ではないのですが、コミュニティをどうデザインするかを丁寧に様々な切り口で学べる場を、継続して設計していきます。それが私の使命です。

次回は、2月16日日曜日。こちらで申込できますので、宜しくお願いいたします。次回は「起」(コミュニティデザインの導入部分)を取り上げます。

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