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富士市初の防災ファシリテーション講座開催~新たなる学びと気づきの多い時間~

「まちの会議のやり方を学ぶ実践ゼミ・第1期」(通称:まちゼミ)。定期的に毎月第3日曜日の午前中に開催してきた講座は、今日でいったん第1期が終わりました。その最後を飾ったのは、富士市初の「防災ファシリテーション講座」です。「もしも・・・」に備えるまちづくり~富士市初の「防災ファシリテーション講座」です!

浜松から、ファシリテーターの鈴木まり子さんをお迎えして、「地震!!その時どんな会議が?」と題して開催しました。

日本ファシリテーション協会でも、災害支援や災害対策の現場で、防災に関してのファシリテーションを推進する取り組みをされておられます。防災の意識の高い富士市で、こうした防災とファシリテーションを融合するような講座の実施は、とても意義深いものでした。

ファシリテーションについて学びを深めあってきた「まちゼミ第1期」の参加者、そして、防災に関して各自治体や地域でボランティアなどを通して活動している方々、学者の方など約30名が参加した場になりました。防災の現場での「話し合い」の進め方に焦点を当てた学びを展開しました。

冒頭私が、まちゼミ第1期の講師として、ゼミで取り組んできたことを参加者の方々にお伝えしました。防災をテーマにしているとはいえ、「まちの会議のやり方を学ぶ実践ゼミ」の一講座であることを示すためにもいい機会をいただけたように思います。

私の説明の後は、いよいよまり子さんが登場し、ファシリテーションについて学ぶということでスタートしました。最初は、防災に関係する簡単な話し合いの時間を設けて、場を柔らかくする。そのやり方もとても参考になりました。防災、ファシリテーション、この二つに意識を向けながら、まり子さんが防災とファシリテーションのある意味架け橋になり、参加者の方々に講義を展開していきました。

ところで、なぜ防災というテーマを、まちの会議のやり方を学ぶ実践ゼミに結びつけたのでしょうか?防災は、まさにそれぞれの環境において「当事者意識」が求められるものです。自分にとってかかわりが薄い、と感じてしまうと、その意識はとても希薄になってしまいます。そこで、その意識を高めるための方法として、ファシリテーションが有効であるということです。ファシリテーションの技法をとりいれた話し合いによって、自分たちで決めたことが自分事になりそして行動につながる。逆に言えば、行動にならないようなことは、こうした防災に係る場のみならず、話しあいをしても何も決まらないということです。

決まらなくてもいい場、たとえば、単に思っていることを発散するための目的で行われる場というのは、それは一つの場として存在しうるものです。ただ、いつもそういうわけにはいきません。防災の取り組みもそうですし、様々な現場での活動においても何かを決めるというのはつきもの。その決めるという会議をやるからこそ、行動を伴うがために、多くの人たちの考えの変化につながるのです。

今日の講座では、まちゼミで実践したことや学んできたことも盛り込まれた内容になっていました。そのいくつかを紹介しますと・・・

・会議の目標を決める

・話し合いを書いて見える化する

・話しやすい雰囲気をつくる

・傾聴し、問いかけよう

などなど、まちゼミの過去5回で共に学んだことが実際に活きる場となっていました。私自身も、講師の立場で自ら学んできたという立場として、グループファシリテーターを買って出て実践しました。私のやり方もまだまだ改善の余地があって、それに気づけたことがとても意味のある時間になったといえます。

たとえばどのような学びがあったのか?

・ゴールやルールを決めることはすぐに終わるプロセスかもしれませんが、それがあるから、会議全体に大きな影響を及ぼします。

・オリエンテーションは方向づけをするための時間であり、決して最初の事務連絡がオリエン、だけではないのです。

・発言者を指名せずとも、進められる場づくりのやり方をするからこそみんなが発言をしやすくなる。自分事として聴いて考えるのです。

このようなことを改めて学ばせていただきました。

私は、かつては日本ファシリテーション協会の定例会などで、ファシリテーションを何度か学んできました。そして、まちゼミではそれに関連するもののなかでも基本的な部分を中心に伝えてきました。そういった状況であっても、さらに新たな気づきと学びがある。とても有難い機会だったと思います。

そして、防災の観点からすれば、まり子さんが関わってきた災害現場やその周辺の場、防災をテーマにしたまちづくりの場など、こうした生のお取り組みの事例が学べたことは、地域防災に日々取り組んでいる方々から見てもとても意義のある時間になったのではないかと確信しております。

今日の講座は、富士市内だけでなく、沼津、三島、静岡、裾野、そして県外からもご参加いただいた方がいらっしゃってとても学びの深い時間になりました。最後は参加された皆さんで固まって記念撮影。富士山の形を手で示す。富士市らしい取り組みかなって思える瞬間ではないでしょうか。

夜はまちゼミ第1期の打ち上げに加えて、忘年会。参加メンバーの澤田明歩(さわだあきほ)さんが忘年会の内容を企画してくれました。必死になって考えてくれた問いに話が深まり、お互いに他愛のない話をする・・・そして、最後は、5分ピッチの時間で、僭越ながら私の発表までさせていただく機会があり、とても楽しいひと時を過ごせました。

学びの輪や対話の空気は、着実にゆっくりとではありますが、富士、富士宮へと広がっているのを感じます。こうした取り組みは、きっと私たちだけがやっていることではないと思います。私たち以外の方々による様々な取り組みもあるからこそ、街全体のコミュニケーションの力がアップしていくとともに、まちゼミの主催元である富士山まち大学の小泉さんとともに力を入れてきたファシリテーションも、徐々にまちに浸透しつつあると思います。

市民一人一人がファシリテーターとして活動できる時代へ。AIや自動化などにより、人の力が要らなくなる場もあるとは言われています。しかし、そうではない場は、人の力が今まで以上に高い水準で求められる時代になると思います。ファシリテーションのスキル、あるいは、コミュニケーションのスキルを街全体で学び合いながら、高め合いながら、AIがなくてもお互いに助けあって生き抜ける。そんな流れに乗って、街は着実に変化しているように思います。

まちゼミは、第2期が、年明け1月から開講します。テーマは、「コミュニティデザイン」。様々なテーマで集まる場をどうつくるか、ファシリテーターでなくてもどのように創り出していくのか、その考え方を実践と講義で学ぶ全6回です。ファシリテーター小泉さん、講師増田のコンビで、引き続き来年も上半期の原則第3日曜日に開催します!

富士市の皆さんと更に深いつながりを築くきっかけになった「まちゼミ」。皆様の温かい視線、学びの姿勢と意欲、そして互いを支え合ってきた活動にかかわれたことに感謝です。ありがとうございました!!

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