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批判的思考(クリティカルシンキング)のススメ

台風19号の爪痕は、日本の各地に痛々しいものを残していきました。特に大きな河川の氾濫による被害が甚大で、想像を超えたものでした。

今回の台風によって亡くなられた方に向けて哀悼の意を示すとともに、被災された方々へ心からお見舞い申し上げます。一刻も早い生活の復旧に向けて動かれている、警察、消防、自衛隊、そして保安関連の方々、地方自治体の職員の方々のご尽力にも、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

被災された方々は、明日も見えぬ不安でいっぱいかと存じます。命あればまだまだ希望はあります。辛い胸の内をお話くださっても構いません。何かございましたら、心の専門家としてお話を受け止めることはできるので、お話ください。

私は無事にこの台風を乗り切ったので、私なりにできることをやっていくのみ。それが今の仕事を一生懸命にやることなのではないかと思っています。人材育成コンサルタント、ハラスメント防止コンサルタント、企業研修講師、ワークショップデザイナー。ある意味、人とコミュニケーションと職場の問題を扱う専門家ということになります。こうした専門家としてできることはなんだろうか?ということです。

特に今回のような災害は起こった場合に、人と人がコミュニケーションを日々とっておくことが、不安を少しでも減らすことになるのではと思っています。そのためにも、企業や地方自治体の研修の場や、地域での様々な活動の場で、人と人とが関わるときに必要なスキルをお伝えしたり、そういった場をつくることを推進していくことになります。

また、地域の企業や自治体が、自分たちでなければできないことや自分たちだからこそできることを探し、それを実行する。そのためのサポートを惜しみなくやっていきたいと思っています。

そのときに大切な考え方として、「批判的思考(クリティカルシンキング)」と呼ばれるものがあります。一つの結論や考えを疑ってみるということです。批判的に物事をみようというものです。

たとえば、「地方は人口が減少している→だから産業は発展しないで衰退する」という論理ですが、果たしてそうなのかということです。人口が減ったからといって、必ずしも産業は衰退するとはいいきれません。そもそもどこで販路を見出すかにもよりますし、スマートシティのような地域で一番の存在になる戦略をとっていくことだってあります。人の数の増加が産業の担い手を増やすことになるのかというと、必ずしもそうなるとはいいきれません。物事を批判的に見ていけば、常識だと言われていることが、実はそうではないというのはいくらでもあるのです。

そういう発想に至るためにも、批判的思考という考え方は持ち合わせておくことに価値があるといえます。論理的に筋道立てて考え方ことが、自分の思い込みになっている場合もあるし、より高い視点、広い視野で考えてみると、別の方法が思い浮かぶこともあります。原因と理由、根拠と結論が真逆になることもよくあります。また、よく思考の偏りがあることを「バイアス」といいますが、様々なバイアスがかかっていることもあります。「自分だけは大丈夫・・・」「私には関係ない」など、思考に自分の偏りがあることも認識する必要があるのです。生きている世界、分野によって、偏ってしまっていることがあるという事実に気づくことが必要です。

思考の気づきというのは、意識しなければ出てこないものだし、繰り返し思考していかなければ、自分の頭や体に染みつきません。染みついてようやく使えるものとなっていきます。論理的思考(ロジカルシンキング)や批判的思考(クリティカルシンキング)はその典型です。物事を筋道立てて考える習慣がついてくれば、論理的に思考する回路が勝手に出来上がっているでしょう。また、物事をいつも鵜呑みにしないでまずいったんこれでいいか確認する習慣がついてくれば、批判的に思考する回路が勝手に出来上がってくるでしょう。二つの思考方法をうまく組み合わせていけば、様々な応用的に展開できる思考方法も自然に身についてくるといえます。

新しい発想をするときや、今までの思考の流れを検証するときに、批判的な思考をもっていれば、自分が成長していく機会につながると思います。批判的に物事を視てみるのも欠かせないですね。

気をつけたいのは、批判的に考えるときに、「批判バイアス」にならないことです。あの人は嫌いだから批判する、あるいは、あの人の考えはどうも気に入らないからまず批判する。これは、批判的思考をはき違えています。まさに批判の思い込み。そもそも思考が破綻しています。嫌いだから、気に入らないから、では、物事を論理的に考える機会すら奪われてしまうでしょうね。そうならないことも留意して、批判的な思考をうまく使っていきましょう。

地域での活動を楽しむことができる。様々な制約がある中でも、それは可能です。人が少ないからとか、お付き合いしている人たちが固定化しているとか、そういう考え方を一度批判的に疑ってみてください。地域の活動や仕事の在り方を変えることは、こうしたサードプレイスを創り出すことからも発想できるのではないでしょうか。

10月19日土曜日。東京から、かつて私が参加していたサードプレイス・ラボの仕掛け人お二人が富士にやってきます。サードプレイス・ラボは東京にいなければ参加できない、はたしてそうなのか?そんな考えをぶち破ってくださったお二人の話に注目です。まだまだご参加受付中です。こちらからどうぞ!

もしくは、info-km@fujimirai-creation.comのメールでもOKです。

合同会社富士みらいクリエイションは、19日のイベントの申込代行を承っております。平日の9時30分から18時であれば、0545-67-3400へお電話でも承りますよ。宜しくお願いいたします。

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