7月前半は講師としての登壇の機会を多くいただきました。本当に感謝しております。こうしていろんな方々に出会えるのはとても有難いですね。
研修講師としていろんな場に伺いますと、その組織の特徴が垣間見えます。特徴もいろいろあって、それに対して思うこともあります。特徴が悪しき伝統をつくっていなければいいのに、と思いますがどうしてもそれを感じる瞬間があるのです。いくつかまとめてみます。
1.自組織以外の情報にあまり関心を持たない
必要な情報しか受け取らない、という姿勢を明確にされる方が多い組織があります。他の組織のことや、世の中のことに関心を持たないのか、それとも持てるだけの余裕がないのか。そういった姿勢が研修の中で垣間見えることがあります。(私の力量の問題もあるのかもしれませんが)以前、研修の営業をやっていたときに、ある顧客がおっしゃっていた言葉が印象に残っています。「うちの組織は情報感度が低い」。自社以外の情報に関心を持たない社員が多い組織は、今はすぐはいいかもしれないけど、やがて成長が止まる危険性を感じます。
2.議論に参加しない
様々なセミナーや講座などに参加したときによく感じます。グループになって議論をする場合、なぜかその会話に参加しない方がいらっしゃいます。つまらないのか、忙しいのかわかりませんが、とてももったいないですよね。せっかく同じ場に来たのであれば、議論に参加して少しでもなにかを持って帰るという意思を、行動で見せる必要があります。ましてや、ある程度の人生経験やキャリアを積み上げている方であればなおさらです。
3.批判、評論ばかりで意見を言わない
なにかをするにしても、まず、自分以外の周りのことや人に対して、批判的な見方から入ってくる人がいます。批判して何かよいものを見いだそうとすることをするならばまだしも、単に批判、評論ばかりで自分の意見をまともに言わない人もいます。同じグループで話をするにしても、これではすごく嫌な気持ちになってしまいます。
これは特に組織の研修で見られますが、同じ組織で長年同じ仕事をし続けてある程度の立ち位置になると、上の3つの姿勢を前面に出して自分から関わろうとしない人が目立ちます。同じ組織の中でも、一流の経営者の方々はこうしたことをまずしないという場合が多いです。人によって見方を変えることはしないし、どんな場でも真面目に、真摯に取り組んでいます。
以前、ある高級寝具販売会社の研修を担当したことがあります。この時に、この会社の最高経営者の方は、とても真摯に講師である私の話に耳を傾けてくださいました。ことあるごとに外でお会いすると、いつもニコニコしてくださって、組織の話題や営業の話題をお話ししてくださったのです。まだまだ未熟な私に対しても、決して見下すことなく、真摯に向き合って接して下さるとても素敵な経営者の方だったのを覚えています。
管理職や中堅リーダークラスの方で、こうした方々が多い組織は危険だと思った方がいいでしょう。殻に閉じこもり、批判的な目で物事をみて部下の行動ばかりを評論、批判する。経営層と接する段になると、変に気を遣って体裁を取り繕う。こんな状況では、組織はいずれ廃れますよね。次世代の経営を担うかもしれないのに・・・残念ですね。
こうした状況にならないためにも、先日書いたブログのように、「準備」をしっかりするのが一番です。準備の中でも、心の準備ですね。もう何かに参加する機会が決まっているのであれば、それがいったいどういうものなのかを確認することぐらいはできるはずです。
「おまえ、研修受けることになったからいってこい」
「おい、プロジェクトのミーティングに参加しろって言われているからいってこい」
「とりあえず明日は会社の行事に出ろ」
みたいな指示を出している上司がいたら、そんな上司はもう上司をやめたほうがいい。また、こうした指示を出させるような企画を担う担当者がいるのなら、もうやめたほうがいい。何が目的で特別な研修やミーティングなどに参加するのか。目的意識がそもそも希薄になっているのはまだしも、その目的すら伝えられることなく日常とは違うことを指示された方は、いい加減な態度になる姿勢は強いです。いい加減な姿勢が出てくるのは、上司や企画担当の姿勢が投影されているといっても過言ではないですね。
もちろん、自分から参加する目的を確認するために、どんな研修やミーティング参加するのか、どんな行事に参加するのか、そのくらいは把握して準備する必要があります。研修でいえば、講師や企画担当者が準備すればいいのではないのです。ミーティングであれば、ファシリテーターや企画担当者などの主催側が準備すればいいというのではありません。参加する人も準備すること。特に心の準備をするのを忘れずにやることですね。上司や企画担当者が、準備を後押しするような行動をするのも欠かさずにいきましょう。

今日のテーマとは直接に関係するわけではありませんが、職場の人間関係になにか抱えていることがあったらこれら私が書いた本を検索してみてくださいね!
こちらのブログ記事も参考に!
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