新年度開始となりましたが、やはりこの新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、いつもとは少し雰囲気の違うものになっています。入社式のやり方が会社によってさまざまで、多様性に富んだ内容になっていましたね。特に社長が短い時間でも新入社員一人一人と1対1で話すというのは、とても興味深かったです。大企業の社長が新入社員と話すことは、そうそうあることではないですし、そもそも会社に馴染むと、社長に話をすることすらいろいろと神経をつかうことになります。なかなか社長を知ることはないし、社長も新入社員を知ることもないですよね。
ある会社の社長が新入社員に尋ねていた質問がありました。「自分を動物にたとえたら?」というものでした。新入社員は必死になって考えていましたね。必死ではあったけど、ちゃんと自分の答えを堂々と言えていたのは素敵でした。
デール・カーネギー氏の「人を動かす」のなかで、「自然に相手の考えを変える方法」という箇所があります。そこに、このように書かれているところがあります。
相手は、自身の仕事や問題のことなら、あなたより知っています。相手に質問して、会話を引き出すのです。
上記の社長がやっていたのは、確かに自分にとっても関心があったかとは思います。しかし、それだけではなく、相手のことを相手自身が考えられるようにして質問をした。これが、相手自身のことに関心が向くようになっているので、コミュニケーションが発生することになるのです。
営業の場面でも、よく相手に話してもらうことが大きな契約のきっかけになるといいます。相手の問題に関心を向けてもらって、相手が話をするからこそ、いい結果につながるということなのです。相手を話題にすることで、それに徹底的に寄り添うことで、顧客になりうる人が満足して結果につながることになるのです。いかに相手に喜んでもらえるのかを考えると、相手に話してもらうことが、自分が話したいことを話すよりはベスト、ということになりますね。
様々な職場で、つい立場の上の人が話してばかりになり、他の社員が全然話をしないということありませんか?もしくは、他の社員が話す余地すらないというか。職場において幸せを実感させたい、面白さを見つけたいということであれば、まず他の社員が話すきっかけをつくっていかなければいけないでしょう。他の社員に関心を向けて質問をして話を聴く。関心が向いていることを示すような質問を投げかけて、答えてもらった方がいいのです。社員が話をしたいと思える環境をつくること。「立場の上の人」は、単に立場が上というだけでなく、そういった責任があるということも、よく理解しなければいけないでしょうね。

こうした会話ができる空間で話をすることで、相手に関心が向いている人たちが増えてくれば、その場自体も幸せな空気が流れ、より良い成果に結びつくのではないでしょうか。相手に関心を寄せていけば成果は出ます。特に相手にかかわって仕事をする方、職場のリーダーなどは心に留めていきましょう。
追記:上記写真は2月の「まちの会議のやり方実践ゼミ」です。3月以降は講座が開催できなくなり、連続講座であることから中止にしました。残念ですね。コロナめ!!
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