東京・日本橋にある、昨日までの勤務先。ソフトブレーン・サービス株式会社を退職し、備品を全て返却、役員・社員の方々にご挨拶をしてきました。ちょうど「令和(れいわ)」の新年号が発表になったばかり。まさに新しい挑戦をするにふさわしい日時に訪れた格好となりました。

コレド日本橋にくるのも、もうあと何回あるんですかね・・・
さて、一昨日の話ですが、富士市・富士宮市の若者たちが中心になって運営する任意団体、「富士山わかもの会議」のイベントに参加してきました。もともとこの会議体は、富士・富士宮の岳南エリアに若い人たちが集まって魅力あるまちにしていこう、ということで運営されてきました。現在は、初代代表から2代目代表に代替わりして、これから新しいチャレンジをしていこうという段階です。2019年度の新しい方向性が示されるようですね。新元号の令和の世では、どんな活躍をされるのか、楽しみな団体です。
彼らの取り組みは素晴らしいと思っています。なかなか行動できない人たちがいる中で、自分たちの街を、わかものにとって魅力ある街にしていこうと考え、、様々な行動を起こしているところが素晴らしいです。前年度は、富士山女子駅伝に対して、富士市をどうPRするかの取り組み、駅伝実施前に街の中をきれいにする取り組み、政治にも関心を持ってもらう一環で、選挙に対して考える取りくみなど、わかものらしいアイデア満載の視点で取り組んでました。そんな彼らの活動の番外編として、わかもの会議メンバーがワークショップをやるというイベントがありました。
その場に、富士市に戻ってくるワークショップのプロ、というふれこみで、全然わかものではありませんが、ワークショップをやらせていただきました。わかもの会議の皆さんとは世代が違うにもかかわらず、こうした機会をいただけたことに感謝申し上げます。
まず、私が担当するワークショップが行われる前に、3名のわかもの会議メンバーによるワークショップが行われました。
演劇でチームワーク醸成することをテーマにしたワークショップ、演劇をグループでやってみて何を伝えたいかを考えるワークショップ、そして、書籍を用いたクイズで、自分の考えを整理するワークショップ。
この3つのワークショップをまずは参加者として楽しませてもらいました。どのワークショップも、ファシリテーター(進行役)の想いが入っていてよかったですね。即興で考える要素や、協力して取り組む要素が盛り込まれていて、心身を刺激する内容でした。ワークショップの参加を通して、自分自身がどう感じたか、どう思ったか、それを落とし込めるだけのものになっていたように思います。
ワークショップは、最近はいろんなところで行われていて、ついつい「楽しかった」だけで終わるものが多いです。そのため、「で、結局なんだったの?」ということに陥る可能性があります。せっかく集まって取り組んだのに・・・
まあ、単に仲良くなるのが目的であればそこまで言うことはないのかもしれません。しかし、今回はわかもの会議メンバーが真剣に取り組んで、まちに影響を及ぼすようなことを考えるメンバーたちです。そこで、ワークショップの中でついつい怠りがちなことをワークショップでやってみようと考えました。それがリフレクション(省察)を主体にしたワークショップです。
3本のワークショップは、限られた時間の中で、動きがあり、頭と体を使うようなワークショップが多かったので、落ち着いて考えるワークショップにしてみようと考えました。若い人たちには、激しく動くものでも、勢いを持続してやれるから楽しいのかもしれません。しかし、彼らが他のわかものに一歩抜きんでていくためにも、振り返りを大切にしてほしいと思い、リフレクション・ワークショップを実施しました。

カタルタを使ったアイスブレイクで、ちょっと口を開いて考えてもらい、今までの動的なワークショップ3本から、静的なワークショップにする橋渡しのつもりで実施しました。スタンダードのカタルタとロジカルのカタルタ2種類で多少負荷をかけて展開。まずは「考えて口を開く」というプロセスに転換させていきました。
その後に、それぞれ参加したワークショップの良かった点と改善点を付箋を使って整理し、書いた付箋をファシリテーターたちにプレゼント。彼らが、参加者からどう見られているかを確認してもらいました。
ただ、この声が絶対的なものではありませんし、私もこの後フィードバックしたのですが、私のフィードバックも絶対的なものではありません。ファシリテーターも参加者も、それぞれどんな気持ち、感情でとらえたかが大切。それらを「受け止めることはしてほしい」と伝えました。
人はみなそれぞれ違います。同じ事実を目にしても、結局は見方が無数にあるのです。ですので、ワークショップの改善をどう行うか、それをする前提として、ワークショップ企画や実践の際には、その目的を設定しておく必要があります。目的と参加者の声をどう結びつけて、次のワークショップに、いや、日々の行動にどう変化をもたせるか?これがリフレクションの中で大切なことです。参加する人が置いていかれないように、嫌にならないように、ということをワークショップ全体の場を見ながら進めていく。一人で突っ走ってしまわないように。こうしたことがファシリテーターとして取り組んだわかものが出来ていたかどうか。そんな観点での振り返りをしてもらいました。
参加者も、こうしてワークショップの振り返りを行うことで、自分の記憶に鮮明だった事実を、書いて明確にすることができます。一参加者として、伝えるべきことを伝えるために考えてもらいました。
また、ワークショップをもう一度やるとしたら、ということで、参加者の方々に、無責任にアイデアを投げかけてもらいました。もっともっと時間があると、さらに知恵を膨らます対話にできるのですが・・・このあたりが今回、もっと私がやれたらよかったと振り返って改善するところかなって思いました。
ということで、リフレクション主体でワークショップをやってみましたが、今回の場にはマッチしていたように思います。やや難しくなってしまった部分があるのは、どうもコンサルタントとしての習慣が抜けてないですね(笑)。地域の市民・住民の方々とのワークショップは、内容を多く盛り込まず、できるだけ楽しく学び、即興性も入れながら協力して取り組めるようにすることが必要ですね。ワークショップの場で出会った方々同士がお互いにつながり、さらにその先、まちをよくする方向に活かせるのであれば、ワークショップという手段は有効ですね。
ただ、ワークショップは決して万能薬ではありません。目的、目指す方向性をみながら、どのような手法がいいのか。地域の教育(学び)支援を行う専門家として、考えるきっかけになった場になりました。
富士山わかもの会議の皆さん、そして、わかもの会議を気にして支援してくださる皆さん、同じ時間を共有していただき、ありがとうございました!
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