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改善点を大声で叱るのはやめよう!~部下の成長のための叱り方・伝え方をできるように!~

このブログを書き始めた頃に使った画像です。いかにも腹立たしく話をしている姿だと思いませんか?

ある組織であった話なのですが、部下に注意をした上司がいました。なぜ注意をしたのか?それは営業の研修で外部の講師からこうしたフィードバックがあったことに起因します。

「あなたの商談の様子を拝見しました。声もよく出ていますし、笑顔で対応されていて素晴らしいです。また、相手が反論したことに対しても、きちんと相手の言葉を受け止めて、反論に対処できていますよね。改善するポイントがあるとしたら、商談の進め方です。商談の落としどころをどこに据えてやっていたのか、ちょっと不明確でしたね。落としどころを意識して進められるようになれば、さらに商談の前進割合は高くなるでしょう」

さて、この研修におけるフィードバックを聴いた上司は、この後、部下を呼び出してこう言いました。

「なんで商談の落としどころをいつも決めねぇんだよ!あれほど落としどころを決めて進めろって言ってるだろ!何度言ったらわかるんだ。だからいつまでたっても予算達成は出来ないんだよ!もう少しやる気を出してやれ!」

そう言い放って上司は去っていきます。

おかしいと思いませんか?なぜ、このような上司からの指導がされる必要があるのでしょうか?上司としては部下を叱ったつもりなんでしょうけど、そもそもおかしい。良かった点を一言も褒めていないし、それどころか、後半の改善点とされたところだけを取り上げて叱り続ける。しかも、「何度言ったら」といいますが、一体何度言ったのか数えているのでしょうか?たぶん出来ていないですよね。そして、予算達成できない原因を、このフィードバックの一点だけに集中して指摘しています。だいたいどれだけ因果関係があるのか?

最後の「やる気を出せ」というのもよくわかりません。そもそもやる気がなかったことを改善点として指摘されていたのでしょうか?そのような事実はまったくありませんよね。やる気があるかどうかをどうやって判断するのでしょうか?非常にあいまいです。

上司の立場にある人の中には、人の良くない点だけを誇張して、その部分だけに解釈を加えて叱る、いや、怒る人がいるんです。部下はたまったものではありませんね。部下は上司と話をしたくない、コミュニケーションをとりたくないと思ってしまう典型的な事例であるといえます。

叱ることは怒ることではありません。人のやる気を削ぐ行為であってはいけないのです。特に感情的になって、厳しいことを言えばそれでいいと思っている古い考え方の人もいまだにいます。自分が厳しく大声で怒鳴られて育ってきたから、それが当たり前だと思っているので困ります。こうしたことの積み重ねが、精神疾患に苦しむ人を増やし、ハラスメントで苦しむ社会を創り出してしまうのではないでしょうか。

もうそういうのは終わりにしましょう。お互いを尊重しあう。お互いに言い分があるにもかかわらず、まずしっかりと相手の話を聴くことです。話が聴けていれば、上述の上司はあんな言い方を部下にはしないはずです。良い点も改善点も、両方を丁寧に伝えるはずなのです。なぜそれができないのでしょうか。大きな声で改善点を言うことは教育ではありません。成長を願うのであれば、良い点を事実として伝える。そして、改善すべき点は、改善すべき点として事実として伝える。笑顔で伝えてもいいのです。叱るのは怖い顔をしてやるものではないのです。部下は人です。人に対して何かを伝えるということはどういうことか。感情があるということを忘れてはいけません。人の上に立つ人であれば、相手の感情にも気を配ったうえで伝えるようにしましょう。

もう、大声で悪いところを拡げて部下に伝えるのはやめてほしい。そんな世の中を変えていきたい。人を尊重するための考え方を知り、みらいを創り出していきませんか?

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