歌を聴くのではなく、人生を聴く。
なんだかカウンセラーみたいですけど、あ、カウンセラーでしたね。失礼しました。
アーティストフォーラム2018。とても楽しみにしていたこのイベント。知り合いのアーティストが出演するとわかっていたから、です。出場アーティスト一人一人のテーマソングが奏でられ、歌う。一体こんなイベントどこにありますか?そんな感動的な人生を歌で表すイベントなんてきいたことないですよね。どんなもんなんだろうかと。とっても楽しみにしてきました。
大田文化の森。初めていきました。かつては大田区役所のあった場所です。
少しもったいぶりましたが、今日の出場アーティストには、私の弟がいました。まっすん、とみんなには呼ばれていますが、私にとってはたった一人の弟。増田浩佑(ますだこうすけ)氏。彼が出演アーティストの中に入っております。「癒しのスマイルメーカー」だそうですが、ちょっとこれだけは同意いたしかねますが(笑)。まあいいです。
私の知る限りですが、彼は音楽やっていたわけでもないし、楽器も恐らくひけない。せいぜいカラオケで熱唱していたくらいなんじゃないでしょうか。でも、音楽の経験がなくても、少なくても、こうして選ばれし者として出場できるのがアーティストフォーラムなんです。そんな彼の取り組みに興味があった、くらいの感じと、見守ってやろうかっていうお節介な気持ちが入り混じって、見にいきました。
彼が自分を出すという場をあんまり見たことがないです。身内の間では、何か照れ隠しのようなものなのか、それとも、彼が言っていたように、周りの目を気にしていたのか。彼は自信がないと言っていましたが、彼もそういうことで私と同じようなことを気持ちに持っていたのかなって勝手に思いました。だからなかなか自分をさらけ出さなかったのかなって。
そういう気持ちを、多くの人たちの前で歌にして示すことが出来る機会を得たところが、何だか彼らしくていいなって思いました。ステージの上で気持ちをぶつけて歌にする。その姿と、彼が語る歌詞を通しての言葉。一つ一つが響き、涙がとまらなくなりました。だから歌も正直覚えてない感じです(笑)。彼に観客席から叫んでやろう、とか思ったけど、それはなんかできなかったです。だって目立っちゃいそうだったので(笑)。
最初はスキマスイッチの「全力少年」をカバー。そして、その後は自分の人生のテーマソング。主催の安達充さんに作曲をしていただいた曲。「ヒーロー」っていう曲でした。歌の紹介をする前に、MCの場面があって、彼が今までの自分の気持ちなどを語っていました。心の中で、しっかりと頷きながら聴いてました。その中にあった言葉のいくつかは印象に残っています。
昔から親や人の目を気にしていたこと。自分に自信を持てなかったこと。そうだよな、そうだよなぁ・・・その気持ちが痛いほど伝わってきて、昔の実家にいた幼き頃の事が蘇ってきて、涙が自然にあふれてきました。痛いほど共感したというか。あいつもそんな気持ちでいたのかって。自分のことでなんだかんだで精いっぱいだった若き日の自分には、全く知る由もなかったのではないかと。
自分にOKを出せなかった。彼が語ったその言葉思い切り響きました。彼はそんなことを語っていたんですけど、今日はOKでしょう。いや、もう堂々とOKと言ってくれればいいんじゃないかと。それは観客の皆さんの誰もが同じように思ったのではないでしょうか。
彼は今日、ヒーローになりました。ヒーロー。まさに彼にぴったりだし、彼が自分で自分を肯定するにはふさわしい言葉じゃないでしょうか。まさに彼にぴったりだったなって。人生のヒーローかどうかを決めるのは自分です。自分がOKと言えれば、それでもうヒーローになったも同然のような感じですよね。
シンボルカラーの緑に身をまとい、気持ちをぶつけて歌っている彼の姿。言葉の一つ一つから人生の姿が見えてきたというか。彼の生きてきた姿の一部は私に重なり、涙がずっと止まりませんでした。こんな姿ステージ上で見られていたら恥ずかしかったですよ。
彼の歌を聴きながら、私自身の人生と重ねました。自分に自信がなくて、気持ちをダメにして、もうどうなるのか、このまま逃げてしまおう。そんなことを思った2015年の新年。あの時は、弟や両親の顔を見て辛くなるだけだし、絶望的な気持ちでした。それから3年半を経て、今は未来に向けての準備に入っています。
そう、このアーティストフォーラム2018のテーマというか、象徴的な言葉でもある「Great Little Step」。この言葉が歌のタイトルにもなっていたんですけど、その歌、みんなで合唱していて楽しかったです。
まさに小さな偉大な一歩を踏み出している彼の姿、他のアーティストの皆さんも、偉大なる一歩を踏み出して満足そうな、楽しそうな・・・輝いていましたね。
そして今の自分もそうです。小さな一歩を積み重ねてきた。それでようやく起業をする決意が固まった。周りに期限を区切る意思表示をした。こうして小さな一歩を少しずつ積み重ねてきた。そんな自分と積み重ねてテーマソングを楽しんでいました。
わが弟まっすんは、今日、大きな一歩を踏み出しました(おそらくね)。いろんな気持ちの葛藤があったと思うけど、こうして自分を示せるステージに立てたことは、彼にとっても、偉大なる小さな一歩。いや、偉大過ぎるくらいの一歩だったと思います。身内の自分に見られることに葛藤があったんだろうけど、見に行ってよかったです。
すいません、私が真ん中で。本当は弟を真ん中にしたかったけど、人が激込みだったのですいませんでした(笑)。妻も隣で号泣でした。しかし、彼は何か充実したいい顔でしたね。疲れていたのに、強く肩たたいちゃってごめんよ(笑)。
たった一人の弟。彼が誕生した時からずっと知っているわけですし、映像で懐かしい写真も拝めて今日はとっても気持ちがきれいになりました。偉大なる小さな一歩を踏み出して、彼に改めて会えたらいいなって思います。
彼を取り巻く仲間の皆さんも、一緒に出られたアーティストの皆様を始め、主催の安達さんも、本当に素晴らしい方々ばかりです。皆さんが弟のために時間を共有してくださったことに、心から感謝いたします!癒しのスマイルメーカーにしてくださってありがとうございます!
私は君が弟であることを誇りに思います!ありがとう!
激しい涙雨のような大雨の中、大田文化の森を後にしました。
参考HP「アーティストフォーラム2018」http://artistforum.jp/
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